昨日のエントリのブクマで、id:welchmanが言ってたことに反応してみます。
welchman 要するに満足度で測れと /そうはいっても全く同じ条件の商品はないのに相場とか安いとかいろいろあるので、購入者としては全て納得したうえで満足するのは難しい。常に今より良い選択肢があるような気がしてしまう。
はてなブックマーク - 「掘り出し物件」はあなたの心の中にある - 不動産屋のラノベ読み
より良い物件はあるでしょう、まず間違いなく。
一応消費者心理的では“早い!旨い!安い!”のように、値段(家賃や初期費用)の割りにインフラ設備のレベルや駅近等の条件が加わると骨董品的な意味合いで“掘り出し”と定義されるのかもしれませんが、そのような物件は人気で足が速く、直ぐに満室となる傾向が強いように感じます。当たり前といえば当たり前ですね。
http://d.hatena.ne.jp/momomubi/20080726#p1
(略)
そしてよほど「寝に帰るだけだから、それほど住居にこだわらない」という方でない限り、自分が気に入る物件は他の同年代も気に入る確率が高いと僕は思います。
賃貸物件は賃貸物件市場に乗っていますから、当然競争が行われます。
「掘り出し物件」は人それぞれ、と自分で言っておいてアレなのですが。momomubiさんの言うとおり、自分が気に入る物件は他人も気に入る、という傾向はあります。ですから、常に最善の物件をつかめるかというと、そうではないのです。
であるならば、「ほどほどに良い物件」をつかむ戦略というものを考えた方がいいでしょう。
掘り出し物件のゲーム理論
んで、その次の問題がコレ。
http://d.hatena.ne.jp/neko_chan/20080103
☆Rule☆
番号のついた20個の箱があって、その中にはそれぞれいくらかのお金が入っている。まず先攻後攻を決める。先攻はそのうちどの箱を開けるか決められる。入っているお金を確認した後、そのお金をGetするかスルーするか選ぶことができる。スルーした場合は後攻に選択権が移り、同様にそのお金をGetするかスルーするか選ぶことができる。両者スルーなら先攻後攻を交代し、同様に先攻は開ける箱を選ぶ。(以降繰り返し)
一度開けてスルーした箱の中身はGetすることはできない。
Getすることを1度選んだらそこでそのチームの選択権はなくなり、残ったチームがGetするまで何もできない。
両者Getした時点で、金額の大きい箱をGetしたほうの勝ち
(略)
番組によると解答は一応用意されていて
「37%の法則」
最初の37%は確実にスルーし、その中での最高値を越える値が出ればそこでGetする
とのことなのですが。。。
<37%の法則>
37%の法則~♪|マサミのブログ☆
(1)全体を(100%)とした場合、最初に出会う(0〜37%)の内で一番良いものを基準値とする。
(2)次に、残り(38〜100%)までに出会うもので、最初の(0〜37%)内の最良(基準値)よりも良いものに出会ったら、それを選んで一番良いものとする。
つまり、それ以後は最良が出現しないということ。
○ 簡単にいうと、下のようになります。↓
0−−−−(2位)−−−37/38−−−−−−−−(1位)−−−−100
基準値 最良
○ ただし、最初の(0〜37%)内に最良が出現する場合もあります。この場合は、以後に最良を越える場合はないので注意が必要です。
- 物件の評価は、スカラー量で行う。
- 物件全体の評価点分布は一切分からない。
- 内覧しないと物件の良し悪しは分からない。
- 内覧できる物件は有限。
- 自分が内覧して申し込みを入れなかった物件は、他人が契約してしまう。
という条件を満たす物件探しゲームがあったとすると、これは上記の37%の法則に当てはまることになります。
例えば、4週間で物件を探すとして1週間に3回内覧すると12物件内覧できます。12の37%は約4ですから、最初の4物件をスルーして、その後の内覧で「その4物件で一番気に入った物件」以上の物件が現われたら即申込すればいい、ということになります。
ただし、現実には自分がスルーした物件が全て決まってしまうということはないと思うので、37%よりも高い割合が最適になるでしょう。
いかがでしょうか。
でも、37%ってほんと?
以下は余談です。
この番組を見たときに「37%ってほんとかよ?」と思いながらもスルーしていたのですが、このエントリを書いていて改めて気になったのでちょっと計算してみました。条件は以下の通り。
- プレイヤーは一人。
- 箱の数は100個。
- お金の分布が分からないので順位点で計算する。一番高い金額の箱は100点、2番目は99点、以下同じ。
さて、初めに全スルーする割合をx%とすると、期待順位点F(x)はスルー部分の最高点で場合分けすると、
【100の場合の期待順位点】+【99の場合の期待順位点】+……+【(100-x)の場合の期待順位点】
となります*1
【100の場合の期待順位点】は、結局すべての箱をスルーし最後の箱を開けることになるので、
(1+2+...+99)÷99 × x%【100がスルー部分に含まれる確率】
【99の場合の期待順位点】は、100点の箱を開けることになるので、
100 × (1-x%)【100がスルー部分に含まれない確率】 × x%【99がスルー部分に含まれる確率】
【98の場合の期待順位点】は、99点か100点の箱を開けることになるので、
(100+99)÷2 × (1-x%)【100がスルー部分に含まれない確率】 × (1-x%)【99がスルー部分に含まれない確率】 × x%【98がスルー部分に含まれる確率】
以下同様です。
で、F(x)が最大になるようなxを求めればいいのですが、数学が苦手な私には無理です。
ので、エクセルで力技で解いてみました。10分ぐらいで計算できました。ちょー便利。
計算したエクセルファイル
ソルバーがインストールされてなかったので、色々数値をいじってみたのですが。
スルー割合 | 5% | 10% | 20% | 30% | 40% |
---|---|---|---|---|---|
期待値 | 88.16 | 90.95 | 88.40 | 84.18 | 79.55 |
と、10%が最適値になってしまいました。ひょっとして、プレイヤーが二人の時に37%が最適になるんでしょうか。そうだとしたら、最適値のパラメータにプレイヤー人数が入ってくるということで、実用的な指標にならないですよね。それとも順位点という捉え方が良くなかったのかなあ。
つかむしろ、私の計算とか考え方が間違っていることの方が大いにありそうなので、統計得意な方、つっこみの程よろしくお願いします><
*1:簡単のためにxを整数としています