不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

カクヨムの読書量が1億字を超えたので2025年に読んだ作品のおすすめを挙げます

 そういうわけで、おすすめ作品を挙げます。

ミニャのオモチャ箱 ~ネコミミ少女交流記~

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 一番のおすすめはこれ。
 現代ダンジョン系とクラフト系とスローライフ系のハイブリッドな感じ。女神から与えられたミニャの能力による掲示板回あり。
 虫を捕まえてきたり、生き物を拾ってしまったり、突然テンションが上がったり、突然眠ってしまったりと、幼女への解像度が高いです。
 ウチの娘らの小さい時を思い出してほっこりします。
 

兵站将校は休みたい!

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 転生要素なしのハイファンタジーなので、なろう系が嫌いな人も安心です。
 はてな民は兵站好きだよね? 貴族はいるが軍隊は国民兵、近代的な軍組織あり、という世界なので兵站の概念があります。銃なしクロスボウあり、敵は魔物。面白そうでしょ?
 文章は3人称で、視点の移動は少なめ。抑制が効いた文体で好き。

穴中ヌルの華麗なる貴族生活

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 とにかく変わった作品です。なんだろう、架空戦記と現代ダンジョンのハイブリッド??
 まず、太平洋戦争が日本・ミクロネシアvsハワイ・アメリカで、ハワイに敗戦して天皇制を廃止され大王制になってる、とか舞台設定が変。アメリカは覇権国じゃない。
 主人公が多動症らしく、小学校の授業は座っているだけで精一杯、という妙にリアルを感じる設定も珍しい。

私の心はおじさんである

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 おじさんがダークエルフ少女に異世界TS転生する話です。そしてチート能力もあるので主人公最強系です。
 ……と概要を書いてしまうと、この作品の魅力が全然伝わらなくて困りました。
 この作品の良さは、キャラクターの内面のかわいさです。主人公のおじさんもかわいいし、パーティを組む男の子たちもかわいいです。もちろん、赤ちゃんもかわいい。とにかくみんなかわいい。

銃と荒野と悪役令嬢

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 舞台は独立前のアメリカっぽい異世界。主人公は追放されたイギリス(っぽい国の)貴族。ネイティブアメリカンらしき人たちも出てきます。
 とにかく、スノッブ

アラサーからのダンジョン探索~英雄は目指さない。マイペースに遊びながら稼ぎます~

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 現代ダンジョンもの。
 主人公3人組がいい感じでオタク気質で、いろいろ仲良くわちゃわちゃやってるのを見ると、なんというか学生時代を思い出すというか、こういうのいいよね、ってなる作品です。

蛮族転生! 負け戦から始まる異世界征服

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 異世界転生ファンタジー戦記ですが、こちらの歴史をいろいろモデルにしてます。敵の帝国は帝政ローマ。主人公はたぶんゲルマン人
 主人公のチート能力が強すぎるので、そういうのが嫌いな人はダメかもしれませんが、最盛期ローマ帝国を倒すにはそれぐらいないとね……

残価設定型住宅ローンが家賃を上昇させる

 住宅ローンで残クレ、いいですね。

www.nikkei.com

 たしかに高騰したマンションも多少買いやすくなるでしょうし、いいことであるように思えます。
 しかしこれは、経済施策としては家賃を上昇させる、と私は考えています。
 以下、根拠を述べます。

 

「買いやすくなる」と価格が上がる

年収倍率は上がったが返済負担率はあまり上がっていない

 
 住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」にはいろいろなデータがありますが、その中にこういった指標があります。

  • 年収倍率:(住宅価格 ÷ 年収)*1
  • 総返済負担率:(年間返済額 ÷ 年収)

*2

 データを見る限り、2011年から2024年にかけて、総返済負担率は年収倍率ほど上昇していないようです。年収倍率も返済負担率も「ローン負担の大きさ」を表すはずですが、変化にズレがあります。
 これはなぜでしょうか?
 

金利が不動産価格を支えてきた

 
 購入層の変化などいろいろな要素が考えられますが、主な原因は金利であろうと思います。
 アベノミクス下の不動産価格上昇は、明らかに金利が下がることによって起きていました。
 言うまでもないと思いますが、たとえば、同じ価格の住宅を買う場合でも、金利が低ければ月々の返済額(年間返済額)は少なくて済みます。つまり、銀行が「この人なら貸せる」と判断する際の基準である返済負担率が変わらない範囲で、より高い金額のローンが組めるようになってきた、というわけです。
 

「買いやすくなる」と価格が上がる

 
 さて、残価設定型住宅ローンについてですが。
 これは、将来の売却見込み額(残価)を差し引いた額を元本返済として、その分だけ月々の返済額を下げることができるものになるはずです。
 ということは、総返済負担率が変わらないとすると、年収に対してさらに高い住宅価格(年収倍率)を許容することになります。この結果、住宅を購入できる層が拡大し、市場全体で不動産に対する需要が増すため、価格は一段と上昇する可能性が高いでしょう。
 

たとえば:

 
 物件価格1億・金利2%・35年とすると、フラット35の返済負担率は35%以下*3ですから、世帯年収はおおむね1100万円以上必要になります。
 これを残価設定型住宅ローンを用いることによって当初支払を2割削減できるなら、必要な世帯年収はおよそ900万円以上となるはずです。
 令和6年国民生活基礎調査を見ると、標準4人世帯で年収1100万円以上は21.1%ですが、年収900万円以上は36.1%とのことです。……え、これマジ?みんな稼いでて偉いなあ……。まあそれはともかく、およそ1.7倍に購入層が広がることになります。
 

融資が緩くなると家賃が上がる

不動産価格を制約する「3つの要素」

 
 ところで、全くの私見なのですが、不動産価格は3つの要素に制約されていると考えています。

  • 原価(建築コスト・人件費)
  • 住宅ローン
  • 利回り(家賃 ÷ 価格)

 原価は説明不要ですよね。物件価格の下限を制約します。
 住宅ローンは、今まで述べてきた通り、金利などの融資条件が良くなると買える物件の価格が上がり、厳しくなると価格が下がります。物件価格の上限を制約します。
 利回りはちょっとわかりにくいかもしれませんが、家賃÷価格の値に一定の相場が存在し、東京カンテイが毎年「マンションPER*4」として発表しています。これは投資としてマンションを購入する層に特に大事です。
 大抵は資金を借り入れて不動産投資を行うため、利回りは投資ローン金利+α以上でないと、投資需要がなくなります。ですので、金利が上がると利回りも上昇(=価格は下落)し、金利が下がると利回りも下落(=価格は上昇)します。
 

利回りはもうしばらく下げられないのでは

 
 さて先に述べてきた通り、アベノミクス下の不動産価格上昇は金利低下が原因でした。金利が下がることによって利回りが下がり不動産価格上昇の制約が緩み、価格における市場のマージンが生まれました。そのマージンがあることによって家賃を上昇させずに不動産価格だけが上がっていくことができました。ちょっと前までは。
 しかし、ここ数年、家賃も上昇しています。これは、低金利のマージンを食いつぶしたと見ていいでしょう。
 この状態で住宅ローンの制約が緩み価格が上昇した場合、どうなるでしょうか。考えられるのは2つです。

  • 家賃が変わらず利回りが下がる
  • 家賃が下がり利回りは変わらない

 しかし、先ほど述べたとおり、利回りは金利の制約を受けます。金利上昇局面にあって利回りがこれ以上に下がるというのは考えにくいです。UBSバブルインデックス2025*5でも、価格賃料倍率(Price-to-rent)で香港やロンドンの上の5位です。
 そうであれば、家賃が上がります。家賃が上がらなければ、投資家は利回りの適正水準を保てず、誰も投資しなくなるからです。
 結局のところ、残価設定型住宅ローンによりローンが緩和されて「買いやすさ」が増すことは、購入できない人たちにとっても「賃料上昇による負担増」という形で跳ね返ってくるわけです。
 

蛇足

 
 今回の話は、結局のところ「誰が不動産の価格上昇の恩恵を受けるか」という話でもあります。住宅ローンを組みやすくすることは「持ち家層を増やす」政策であって資産形成の助けになりますが、同時に、既に不動産を所有している層や富裕層の資産をさらに増やす、ということでもあります。
 日本の格差は収入ではなくて資産にあるということが知られていますが、これが進む方向になると言えるのかもしれません。
 
 
*6

*1:東京カンテイが発表する年収倍率はまた別の集計方法です。住宅金融支援機構は(購入価格/購入者年収)の平均ですが、東京カンテイは購入者以外の世帯も含めた平均年収で割っています

*2:https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/flat35/index.html グラフ作成はLhankor_Mhy

*3:https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html

*4:利回りの逆数

*5:https://www.ubs.com/global/en/wealthmanagement/insights/global-real-estate-bubble-index.html

*6:今回はGeminiに記事を書いてもらったんですが、あらかじめ自分のブログ記事を読み込ませていたせいか、勝手に「蛇足」という見出しを作ってきて笑いました。なお、原型はほとんど残ってないと思います。ごめんねGemini。

「外国人の不動産取得規制」の目的は投機規制ではないらしいんだけど

「外国人の不動産取得規制」の目的は投機規制ではないらしいです。

anond.hatelabo.jp

 じゃあ、何か目的なの? となるとこれがよくわからないんですよね。
 とりあえず、整理してみます。
 

不動産高騰対策としては有効

 当然、外国人による取得を制限するということは流動性を損なうので、日本の不動産の価値を毀損することになりますから、不動産高騰対策としては有効でしょう。ニセコとか。
 また、国外の所有者の場合、不動産の管理が行き届かず、荒廃空き家、管理費滞納、所有者不明土地などの増加のリスクは懸念されると思います。
 私は、このあたりが主目的なのだと思っていたのですが、違うようです。
 

「バカ向けのまとめ」によると

4.バカ向けのまとめ

 投資過熱防止だけではなく
・国家安全保障・領土保全
・農地・資源の保護
・文化・社会・宗教的要因
に配慮されて世界中の国で外国人・外資による不動産購入が制限されているよ!

 とのことです。
 以下で、これを整理してみます。

国家安全保障・領土保全

 おそらく、重要施設の周辺を拠点として破壊活動を行われると困る、という話なのだと思います。
 現在、日本には「重要土地等調査法」という法令があり、以下のことが定めてあります。

  • 阻害行為等の中止命令
  • 利用者からの報告書の徴収
  • 取得の際の届出義務

 実際のところ、外国の諜報破壊活動拠点を正直に外国人PEPsなどの名義で登記するはずがないので、この法律の対象は外国人・外国法人であるか否かは関係なく適用されます*1
 個人的には、安全保障などの目的であれば、外国人取得規制ではなくて、たとえば「重要土地等調査法」において「事前届出制」にするとか、「公拡法」のように「先買い制度」を設けるとか、調査において立ち入り権限を与える*2とか、そういった対策の方が有効であるように思います。
 

農地・資源の保護

農地の保護

 これはちょっとよくわからない。
 外国人に日本で農業させるな、という話であれば、のんきに不動産取得規制などしてないで、まずは外国人技能実習生を追い出すべきではないですか?
 
 もし、「外国人・外国法人の下で日本人が小作人農奴になってしまう」という危惧であれば、さすがに杞憂なのではないでしょうか。現状の「農地法」では、非農家が農地を取得するのは日本人でさえ難しいです*3
 また、外資であろうと農業法人であれば「労働基準法」によって保護されるはずなので、これは労働問題として対処されるべきではないですか?
 危惧すべきなのは、農業を営まない法人が投資として農地を取得して農家に貸しつけ、農業の利益を地代として持って行ってしまうことです。これでは地主と小作人の関係に逆戻りしてしまうので、現状の「農地法」を堅持することが大事になるかと思います。
 

資源の保護

 日本の鉱業資源は国のものなので、土地を取得しても採掘することはできません。
 もちろん、違法採掘はできるでしょうけれども、違法にやるつもりならわざわざ土地所有権など取得することもないでしょうから、外国人の取得制限にはほぼ意味がないと思います。鉱業権の取得制限なら意味があるでしょうけれども。
 
 森林資源については、外国法人が入ってきて林業をやってくれるというなら喜んで受け入れたいと、個人的には思います。
 
 水資源、それも地下水が一番リスクが高そうです。たしかに、このあたりの法整備はいまひとつな印象がありますので、危惧は理解できます。
 取得した土地に井戸を掘って地下水を採取し、港まで運んでさらにタンカーで海を渡り自国の灌漑用水にする…… 現状では笑い話ですが、昨今の気候変動を考えると真水が原油並みの価値を持つこともあり得るかもしれないので、あながち馬鹿にしたものではないかもしれません。
 ただ、そうなった場合、外国人だけが水資源を外国に売るわけではないと思いますので、不動産取得規制よりも、今のうちに包括的な水資源保護の法整備を行った方がいいのではないでしょうか。
 

文化・社会・宗教的要因

 これが一番わからない。外国人の不動産取得規制をすると、どのような宗教的要因がどのように変化して我が国にとっていいことがあるのでしょうか?
 というか、宗教を理由に不動産取得規制をするのは、さすがに政教分離に反しませんか……?
 
 文化的要因というのは、「外国人が不動産を取得すると、わが国の公序良俗が乱れる」みたいな話でしょうか?
 これが規制の理由なら、「排外主義」というのは妥当な批判のような……?

やはり規制の目的がわからない

 増田がせっかく「バカ向けのまとめ」を書いてくれたのですが、あれだけだとバカには難しいようなので、もう少し詳しくお願いします*4
 
 

*1:取得時届出においては、国籍などの申告が必要です

*2:自民党の原案ではこれがあったはず

*3:なんなら借りることさえハードルが高い

*4:実際のところ、ただのガス抜きなんだろうなあ

私道について

anond.hatelabo.jp

 という増田があり、簡単な解説記事を書いてみる気になりました。
 全体的にわかりやすさを重視していますので、厳密ではない書き方をしている部分があります。コメント欄やブコメで補足していただけますと助かります。

長い。三行で。

  • 歩行者の通行は阻害されない
  • 車両の通行はダメかもしれない
  • 道路修繕や埋設インフラの問題は別腹

通行権の見分け方

こういう私道があります

  • 位置指定道路
  • 2項道路または3号道路
    • しばしば公道の場合もあり(いわゆる『赤道』)
  • いわゆる『ただし書き道路』
  • 敷地延長(略して敷延、路地状敷地、略して路地敷とも)*1

 
 で。つらつら書いておいて何なのですが。
 これらの道路は全て、車両での通行が阻害される恐れがあります。たとえば:
位置指定道路である私道の利用制限の取り決めは、自動車通行や駐停車を禁止する限度で有効とした事例

位置指定道路は私道ではあるが、その所有者以外の第三者を含む一般公衆の通行を許容する性質を有しているものであるから、公衆の通行・立ち入りを全面的に禁止したり阻害したりすることはできない。しかし、あくまで私道であるから、その所有者は、当該道路に対する維持・管理権を有し、前記の位置指定道路の趣旨等、法令の規定に反しない限り、当該道路の保全と関係権利者の居住の安寧のため、当該道路の利用を自治的に定めることができ、当該道路を利用する一般公衆もその定めによる利用制限に服するものというべきである。

*2
 
 ですので、私道の種類よりも、どういった権利を持っているかという事の方が大事かと思います。
 

こういう権利があります

  • 単独での所有権
  • 共有持ち分
  • 私道の一部の所有権
  • 通行地役権
  • 地上権や賃借権の登記

 これらの権利があれば、まずは車両での通行は主張できるだろうと思います。
 

通行契約

 一切権利を持っていなくても、所有者が「車も通っていいよ」と言ってくれるなら通っていいです。口頭でも有効ですが書面でもらっておくべきでしょう。個人的には、無償であるより有償の方が安心感はあります。
 

囲繞地通行権

 権利も全く持っておらず、所有者が「一切通ってはいけない」と言ったとしても、他人の土地を通らないと公道に出ることができない場合、通行権が認められています。
 ただし、その範囲は最小限とされているため、車両での通行が認められるのはレアケースです。
 一応、そのレアケースを上げておきます。
自動車による通行を前提とする囲繞地通行権が認められた事例
 

通行権はあるものの

 修繕は別腹ですし、水道・ガス・下水のつなぎ直しなどがスムーズにできるかというと、その限りではないです。
 所有者が管理してくれなかったり、そもそも所有者がどこにいるのかわからなくなったりすると、ちょっとした池みたいな水たまりができたりします。

 そのあたりは、法務省ガイドラインを作ってますので、ぜひしっかり読んでいただければと思います。
複数の者が所有する私道の工事において必要な所有者の同意に関する研究報告書~所有者不明私道への対応ガイドライン~
 

お気持ち

 推測というか、想像ですが、おそらくその増田邸の建築の際にA氏は不満をため込んでいたのだろう、という気がします。
 感情的にもつれてしまうと、もう、なかなか手を付けられない事態になってしまうこともあるのでなんともですが、A氏と有償の通行契約を締結して、その負担分を不動産屋に請求する、というあたりが落としどころな気がしました。
位置指定道路の通行権の有無について告知義務違反があるとして、売主業者に対する損害賠償請求が認められた事例

 みなさま、どうぞよい住居購入を。

*1:敷地延長はいわゆる旗竿地のことで建築基準法上の道路ではないのですが、2mの敷延と3mの敷延をくっつけて5mの共有道路っぽくしてある分譲地とかよくあるので、わかりやすさを重視してここに書いてみました。

*2:もちろん、種々の事情が勘案されると思われます

【ファクトチェック】「日本では、農地どころか、耕作放棄地ですら、太陽光発電は禁止されている」は不正確

 はてブで「日本では、農地どころか、耕作放棄地ですら、太陽光発電は禁止されている」*1とのコメントがありました。これは正しいでしょうか?

市街化区域の農地は転用の許可不要

 市街化区域の農地においては、あらかじめ農業委員会に届け出ることで、転用ができます。農地転用の許可は不要です。

https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229#Mp-Ch_2-At_4

第3種農地は原則許可

 第3種農地は太陽光発電用地への農地転用は原則許可されます。

https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukei/totiriyo/attach/pdf/nouchi_tenyo-29.pdf

第2種農地は代替地がなければ許可

 第2種農地の場合は、周辺に代替地がない場合に許可されます。太陽光発電を始める事業者が農地のとなりに山林を所有している場合は、難しいでしょう。

https://www.pref.chiba.lg.jp/noushin/iken/r6/documents/gennkouhonnbunn.pdf#page=58

甲種農地・第1種農地は一時転用のみ許可

 甲種農地・第1種農地は、営農型太陽光発電による一時転用のみが許可されます。

www.maff.go.jp

甲種農地・第1種農地とは

 おおざっぱに言うと、主に農地の集積化や農業生産性の向上のために、公共的な投資が行われた農地です。
 せっかく農業のための投資が行われた一団の農地を歯抜けになるように開発してわざわざ太陽光発電を行っては、投資が無駄になるどころか周辺農地の生産性も下がってしまいますから、これを制限するのは一定の理があります。市場原理主義リバタリアンのみなさんは渋い顔するのかもしれませんが。

結論

 農業生産性の向上のために一定の制限はありますが、許可不要の農地や原則許可の農地があります。農水省で実績も公開していますので、「日本では、農地どころか、耕作放棄地ですら、太陽光発電は禁止されている」は不正確です。

https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukei/totiriyo/attach/pdf/einogata-56.pdf

 ただし、甲種農地・第1種農地における営農型太陽光発電については、その営農条件が現実的ではない、という批判もあるようです。

openblog.seesaa.net

 ですが、荒廃農地ではこれを撤廃したようです(これは知らなかった)。

project.nikkeibp.co.jp

投票の目的は神聖魔法

このような記事を読みました。
 
hokke-ookami.hatenablog.com
 
これに対してこのようなブコメを付けました。
 

相手の勝手をゆるすという意味で「白紙委任状」という言葉がつかわれているのだから、「白票」も政治家の勝手をゆるすことにしかならないとは思わないのだろうか - 法華狼の日記

投票は手段であって目的ではないと思うので、同意。もし「投票率は高い方が望ましいから白紙でもいい」みたいな話であるなら目的と指標を完全に取り違えているので、論外だと思う。

2024/10/23 17:58
b.hatena.ne.jp
  
これについてもう少し詳しく書きます。
 

投票は政治力を行使する手段

 
 私の偉そうなブコメですが、当然これについて「じゃあ、お前の言う投票の目的ってなんだよ」という話になるかと思いますが、簡単に言えば政治力の行使です。
 もちろん、これは人によって異なると思います。「義務を果たす」ことが目的の人や、あるいは単純にファッションとしての投票をする人もいてもいいと思います。
 
 ただ私は、普通選挙は、市民がなるべく平等に政治力を行使するためにあると考えているので、「政治力の行使」が目的である人が多数派であってほしいな、と思います。
 

政治力とは神聖魔法

 
 ところで、こんな増田記事がありまして。
 
anond.hatelabo.jp
 
 やあ、懐かしいな、と思いながら読んでいました。
 で、みなさん、コクーンワールドって知ってます? ソードワールドのパロディというかなんというかちょっと変わった世界設定なんですけど、私はけっこう好きで。
 特に好きなのは魔法の設定なんです。wikipediaを引用しますね。
 

神聖魔法
神官が自分の信仰する神に祈ることで奇跡を起こす魔法。神に直接祈りを届けるための神聖語で唱えられるが、実はその内容は神に対し、この程度の奇跡も起こせないと信者が減って、神の力の源である信仰心が不足しますよという脅迫になっている。

ja.wikipedia.org

 
 これが政治力だと思います。
 

ケンモメンで企業献金に反対してるわけではない

 
 ところで、今回の選挙は裏金問題が焦点になっていますね。ついでに企業献金政治資金パーティーの見直しも議論されています。
 これって、「あいつら楽して儲けやがって」というケンモメン的な観点からの批判ではないんです。*1
 お金によって政治力を獲得できるからです。
 どうしたって、顕名でお金をもらえれば「誰々さんにはお世話になった」と感じますから、神聖魔法が使いやすいってことです。
 市民が平等に政治力を発揮できるはずが、そうではなくなってしまうのはよくないのではないか、という批判が出るのは理解できるところです。
 

投票は匿名

 
 一方で、投票は匿名で行われますので、候補者も「誰々さんにはお世話になった」とは感じないです。
 なので、投票だけでは言うほど政治力を行使できないです。「選挙に行っても意味はない」というのは、ある意味正解です。投票だけでは神聖魔法はなかなか使えません。
 投票するに当たって「私はあなたに投票するからね」と直接言えば、もしかしたら候補者が覚えていてくれて、神聖魔法が使えるかもしれません。
 

投票を政治力に変えるのが運動

 
 ところで、投票するに当たって「私はあなたに投票するからね。同じ考えを持つ人を100人集めてきたから」と言えば、候補者も「誰々さんにはお世話になった」と感じ、神聖魔法が使えるかもしれません。
 つまり、投票を政治力に変えるのが運動だということです。
 

白票は当選者の正統性を上げる

 
 白票についてなのですが、白票は棄権と異なり投票率にカウントされます。
 さて、ある当選者がいて、その選挙で投票率10%である場合と、投票率が80%である場合、どちらが当選者の正統性が高いと思いますかっつーか明らかに後者ですよね。
 なので、白票を投じるという行動は棄権と比べて、白紙委任状は言い過ぎとしても「勝ち馬に乗る」的な意味合いを少しだけ持ちます。
 

白票で神聖魔法を使うには運動が必要

 
 そういうわけで、「白票」という行動には政治力はほとんどないです。が、「白票運動」をすればワンチャンあるはずです。
 なぜなら組織的に「白票運動」をして白票をたとえば投票総数の1割も集めることができれば、次の選挙のことを考えざるを得ないからです。
 そして、たとえば「夫婦別姓に賛同する候補がいなかったので」などと言えば、もう神聖魔法を唱えてるも同然です。
 なので、政治家に何かを考え直してもらいたい=政治力を行使したいと考えているなら、白票を投じるだけではなくて運動をしてみてはどうでしょうか。
 

最低有効票率

 
 ところで、余談というか思い付きですが、「最低有効票率」みたいなのを設定すると、選挙はどうなるんでしょうね。最低有効票率を下回ったら当選者なしにするの。
 

*1:たぶん

「そんなに利回りいいならなんで自分で買わないんですか?」には「鶏肋」と答えるのがいい

 
 
anond.hatelabo.jp
 
 ↑よく言われるこれについて説明してみたいと思います。
 
 

不動産流通業と不動産賃貸業について

 
 不動産屋には、不動産流通業と不動産賃貸業があります。
 他にも、開発とか管理とかありますが、今回の話とは関係ないので省きます。
 

不動産流通業について

 
 不動産流通業は、我々のような不動産を動かして利益を得るものです。
 仲介業者などの、みなさんが不動産屋としてイメージしやすいのがこれです。
 不動産流通業は、不動産を動かさないと死んじゃうので、不動産を売ったり買ったり仲介したりしようとします。
 

不動産賃貸業について

 
 不動産賃貸業は、要するに大家です。所有している不動産を賃貸して利益を得ています。
 街でときどき見かける、やる気がなさそうに見える不動産屋はもしかするとこっちです。仲介もやるけど、基本的には自社物件の賃料で食ってる会社の可能性があります。
 有名なところだと森ビルとかも自社で開発して賃貸しているので、デベロッパーであると同時にこちらの要素もあります。
 不動産賃貸業は、所有不動産の運用をやる会社なので、不動産を動かさなくてもあまり死なないです。その代わり、資産はたくさん必要です。
 

不動産を開発する場合

 
 さて、不動産流通業のA社があって、賃貸物件を自社開発で作るとします。
 利回りの相場(キャップレート)が5%、開発費用として土地仕入と建築費で800円で作れるとします。そして、年間賃料が50円としましょう。
 当然、開発費用は銀行から借入をします。
 利回りで言うと 6.3% ぐらいなので、相場より回っている十分な利回りがあると言えましょう。
 
 ところで、銀行も無限にお金を貸してくれるわけではないです。
 A社の信用では、6,400円が上限だったとしましょう。
 開発費用が800円なので、8棟建てるのが限界です。次の1棟を建てるためには借入を返済しないといけないです。借入を返済するにはお金が必要です。お金は賃料を貯めるしかないです。
 年間賃料50円が8棟なので、年間400円を貯めることができます。次の1棟を建てるのは2年後になります。
 
 これは、不動産流通業としては不動産が動かなさすぎて、遅いです。
 

不動産を売るとどうなるか

 
 さて、A社がこの不動産を売るとします。
 キャップレートが5%なので、50/5%=1000円です。
 この売却でA社は1000円の現金を手に入れることができるので、借入を返済し、すぐに次の1棟を建てることができます。
 つまり、不動産を動かして余剰資金を作るため、所有物件の出口を常に考えているのが、不動産流通業の動きです。
 

既築物件仕入の場合は

 
 既築物件仕入の場合も同様で、出口を考えて仕入れます。
 ですので、A社は1000円の相場のものを1000円で仕入れて1000円で売るようなことはしないです。それはただのアホです。
 1000円の相場のものを800円で仕入れる、あるいは700円の相場のものを700円で仕入れて100円で改装をし1000円で売れるような物件にする、はたまた「1000円で物件さがしてるんだけど」という顧客を捕まえておいて900円で仕入れる、そのような動きをします。
 
 不動産流通業は不動産を動かさなきゃいけないので、キャップレートで買ってると死んじゃうんです。
 動かすためには、安く仕入れないといけないんです。
 不動産賃貸業なら十分な利回りでも、不動産流通業が仕入れるには高いんです。
 資産を持ってて賃料だけで食っていける会社とは違うんです。
 
 営業で投資物件をおすすめする時は「大家さんになりませんか」ということなんです。不動産賃貸業を始めませんか、というお誘いなわけです。でも、我々は不動産流通業なんです。ウチが仕入れるには高いんです。
 
 鶏肋鶏肋
 

営業さんは買わないの?

 
 買いますよ。でも、会社が仕入れられるような目線の物件は会社に持っていかれますね。会社によっては仕事で得た情報で物件を買うことを禁止してるところもありますが、賃貸物件持ってる営業はまあいます。不動産賃貸業をやるために不動産会社で働いて勉強してるとか、普通にいますし。地主の跡継ぎとか。
 
 ただ、我々不動産営業って、与信があまり出ないんですよね…… おすすめする物件はとても手が出ないってことはまあ、あります。もちろん、めっちゃ稼いでて副業で法人作って銀行からプロパー引っ張るような営業もいます。これはほんともう、人と会社によりますね。
 なので、「あなたは買わないんですか?」に対する回答は「そんな信用|お金ないですよ」という悲しい話かもしれないです。
 
 
 
 もちろん、ただのクソ物件であることの方が多いけどな!