元ネタ
アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本
まあ、どのくらいの数のTRPGゲーマーがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「TRPGゲーマーではまったくないんだが、しかし自分のTRPGオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、その上で全く知らないTRPGの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、TRPGのことを紹介するために見せるべき10本を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にTRPGを布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴う14セッションクラスのキャンペーンは避けたい。
できれば単発シナリオを、長くても7セッションクラスにとどめたい。
あと、いくらTRPG的に基礎といってもオンセは避けたい。
映画好きが『カリガリ博士』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は
TRPG知識はいわゆる「ゲームブック」的なものを除けば、指輪物語程度は読んでいる。 マンチキン度も低いが、戦術的思考はけっこう良い
という条件で。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。
クトゥルフの呼び声(ケイオシアム)
まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「ベーシック・ロールプレイング」を濃縮しきっていて、「ベーシック・ロールプレイング」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。長さも1セッションでPC廃人だし。
ただ、ここで邪神トーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
このサドンデスな作品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限のSANチェックを彼女に振らせられるかということは、オタ側の「真のGM能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。
ブルーフォレスト物語(ツクダホビー)、ギア・アンティーク(ツクダホビー)
アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうなTRPG(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「TRPGゲーマーとしてはこの二つは世界観としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。
トラベラー(GDW)
ある種のSFアニメオタが持ってる宇宙への憧憬と、キャラメイクのオタ的な学歴へのこだわりを彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにもトラベラーな「タール塗りに羽根刺し」を体現するエスパーと「ガスジャイアントで給油」を体現する老商人のキャラをはじめとして、ヘタレキャラ好きのするキャラを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。
カーウォーズ(スティーブ・ジャクソン・ゲームズ)
たぶんこれを見た彼女は「イングリッズレースだよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の作品がその後続いていないこと、これがアメリカでは大人気になったこと、アメリカならPCゲームになって、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、日本国内でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。
GURPS(スティーブ・ジャクソン・ゲームズ)
「やっぱりTRPGはシミュゲーマーのためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「ウォーハンマー」でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかけるSNEの思いが好きだから。断腸の思いでプロレスRPGを作ってもそれでもリングドリーム、っていうのが、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、そのタクティクスへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
GURPSのバランスを俺自身は悪いとは思わないし、もうプレイ時間は削れないだろうとは思うけれど、一方でこれがきくたけや伏見だったらきっちりセッション1時間40分にしてしまうだろうとも思う。なのに、各所に頭下げて迷惑かけてロングセッションゲーを作ってしまう、というあたり、どうしても「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえSNEがそういうつもりでなかったとしても、親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。
ファンタズム・アドベンチャー(大日本絵画)
今の若年層でF・Aをプレイしたことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
ソードワールドよりも前の段階で、ファンタジーの哲学とか技法とかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、こういうゲームが「ゲームグラフィックス誌」でサポートされつつこの時代にあったんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくTRPG好きとしては不思議に誇らしいし、いわゆるスレイヤーズRPGでしかファンタジーを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。
ルーンクエスト(アバロンヒル)
グレッグの「目」あるいは「神話づくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「終わらない神話世界を毎日生きる」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、だからこそSLG版『ドラゴン・パス』はヒーロークエスト以外ではあり得なかったとも思う。
「祝祭日に神殿で祈る」という入信者の感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「神性魔術」の源はPOWにあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。
退魔戦記(コスモエンジニアリング)
これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういうCLAMP風味の能力者モノをこういうかたちでTRPG化して、それが非オタに受け入れられるか気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。
セブン・フォートレス(ホビージャパン)
9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にセブン・フォートレスを選んだ。
クトゥルフから始まってセブン・フォートレスで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、蟹光線(イブセマスジー)以降のきくたけ時代の先駆けとなった作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。
「駄目だこのオールドゲーマーは。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。
参考
◯◯オタが非オタの彼女に◯◯世界を紹介するための10本まとめ - What is Normal 〜 もはや普通がわからない 〜