「外国人の不動産取得規制」の目的は投機規制ではないらしいです。
じゃあ、何か目的なの? となるとこれがよくわからないんですよね。
とりあえず、整理してみます。
不動産高騰対策としては有効
当然、外国人による取得を制限するということは流動性を損なうので、日本の不動産の価値を毀損することになりますから、不動産高騰対策としては有効でしょう。ニセコとか。
また、国外の所有者の場合、不動産の管理が行き届かず、荒廃空き家、管理費滞納、所有者不明土地などの増加のリスクは懸念されると思います。
私は、このあたりが主目的なのだと思っていたのですが、違うようです。
「バカ向けのまとめ」によると
4.バカ向けのまとめ
投資過熱防止だけではなく
・国家安全保障・領土保全
・農地・資源の保護
・文化・社会・宗教的要因
に配慮されて世界中の国で外国人・外資による不動産購入が制限されているよ!
とのことです。
以下で、これを整理してみます。
国家安全保障・領土保全
おそらく、重要施設の周辺を拠点として破壊活動を行われると困る、という話なのだと思います。
現在、日本には「重要土地等調査法」という法令があり、以下のことが定めてあります。
- 阻害行為等の中止命令
- 利用者からの報告書の徴収
- 取得の際の届出義務
実際のところ、外国の諜報破壊活動拠点を正直に外国人PEPsなどの名義で登記するはずがないので、この法律の対象は外国人・外国法人であるか否かは関係なく適用されます*1。
個人的には、安全保障などの目的であれば、外国人取得規制ではなくて、たとえば「重要土地等調査法」において「事前届出制」にするとか、「公拡法」のように「先買い制度」を設けるとか、調査において立ち入り権限を与える*2とか、そういった対策の方が有効であるように思います。
農地・資源の保護
農地の保護
これはちょっとよくわからない。
外国人に日本で農業させるな、という話であれば、のんきに不動産取得規制などしてないで、まずは外国人技能実習生を追い出すべきではないですか?
もし、「外国人・外国法人の下で日本人が小作人・農奴になってしまう」という危惧であれば、さすがに杞憂なのではないでしょうか。現状の「農地法」では、非農家が農地を取得するのは日本人でさえ難しいです*3。
また、外資であろうと農業法人であれば「労働基準法」によって保護されるはずなので、これは労働問題として対処されるべきではないですか?
危惧すべきなのは、農業を営まない法人が投資として農地を取得して農家に貸しつけ、農業の利益を地代として持って行ってしまうことです。これでは地主と小作人の関係に逆戻りしてしまうので、現状の「農地法」を堅持することが大事になるかと思います。
資源の保護
日本の鉱業資源は国のものなので、土地を取得しても採掘することはできません。
もちろん、違法採掘はできるでしょうけれども、違法にやるつもりならわざわざ土地所有権など取得することもないでしょうから、外国人の取得制限にはほぼ意味がないと思います。鉱業権の取得制限なら意味があるでしょうけれども。
森林資源については、外国法人が入ってきて林業をやってくれるというなら喜んで受け入れたいと、個人的には思います。
水資源、それも地下水が一番リスクが高そうです。たしかに、このあたりの法整備はいまひとつな印象がありますので、危惧は理解できます。
取得した土地に井戸を掘って地下水を採取し、港まで運んでさらにタンカーで海を渡り自国の灌漑用水にする…… 現状では笑い話ですが、昨今の気候変動を考えると真水が原油並みの価値を持つこともあり得るかもしれないので、あながち馬鹿にしたものではないかもしれません。
ただ、そうなった場合、外国人だけが水資源を外国に売るわけではないと思いますので、不動産取得規制よりも、今のうちに包括的な水資源保護の法整備を行った方がいいのではないでしょうか。
やはり規制の目的がわからない
増田がせっかく「バカ向けのまとめ」を書いてくれたのですが、あれだけだとバカには難しいようなので、もう少し詳しくお願いします*4。