不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

「リフォームフリー賃貸」って面白そう

 
 以前、「妄想」ということで「スケルトン賃貸」という話を少しだけしましたが。
 

 持ち家と賃貸の中間の「スケルトン賃貸」みたいなの、流行りませんかね。建物のハコだけを借りて住宅設備は自分で買ってリフォーム。3、400万円ぐらいで子供が家を出るまでの15年ぐらいだったら厳しいローンにもならないでしょうし、いいと思うなあ。オーナーにも、住宅設備の投資をしなくていいし一度住んでしまえばなかなか退去しないから、メリットはあると思う。

「35年住宅ローンはリスクがある」でいいんじゃないの? - 不動産屋のラノベ読み

 
 こんなサイトがありました。

 Free-Cでは、これまでになかった「賃貸でも改装できる」という発想で、お客様の生活利益を考えるとともに、社会のストックでもある既存の賃貸物件を再生し、家主様の資産としての価値を向上させることを目的としています。

http://free-c.klala.jp/free-c.html

 入居者の希望と費用負担で部屋をリフォーム。そして賃貸するというスタイルのようです。利益はリフォーム費用から得ているようで、その代わりに仲介手数料なし、とのこと。これは面白いですね。
 大家さんからすると、賃貸物件という性質上「誰が見てもそれなり」のお部屋にするのが得策で、とんがった部屋というのはなかなか作れないです。平均的な部屋に飽きた方は良いのではないでしょうか。
 

問題がありそうなところ

原状回復どうするんだろう?

 退去したときに、どこまで元に戻して返せばいいのか心配になりますよね。
 サイトを見ると、改装後を原状とするようです。ですから、「改装前に戻せ!」とか言われる心配はないですし、追加した設備についてもメンテナンス費用はオーナー持ちということなのでしょう。その代わりに数ヶ月で退去しても「改装費用返せ!」とか「このキッチンは俺が付けたものだ!」とかは言えないということになります。

キャンセルはどうするんだろう?

 リフォーム見積→賃貸契約→リフォーム着工、という手順のようですね。着工時には賃貸契約が成立しているので、この段階のキャンセルは通常の退去と変わらなくなってしまうでしょうね。改装費用その他の負担が発生しますから、事前のリフォーム打ち合わせが大事だと思います。

事前に完成形が分からない

 一番トラブルになりそうなのは、入居したときに「こんなはずじゃなかった!」というものだと思います。担当者さんときっちりコミュニケーションをとっておかないと、自分が思っていたものとは違う仕上がりになりそう。
 まあ、この辺は通常のリフォームや注文住宅も同じことですが。

改装コーディネート料?

 リフォーム見積に費用がかかるようですね。3万円らしいです。
 プランを立ててもらったものの、どうもコーディネータと相性が合わなくて……、という場合でも支払うことになりそうです。
 まあ、これは業者さんもタダ働きをするわけにもいかないので、仕方のないところでしょう。
 

システム化して欲しい

 一般的な賃貸契約というものは、まあ最近いろいろ変化も起きてますが、ある程度システム化されていて「こういう場合はこう」と決まっている安心感があります。
 しかし、こういう特殊な賃貸契約は「こういう場合はどうするんだろう?」という疑問がいろいろ出てきてしまうもので、トラブルや不安の素になりがちです。いろいろ事例が積み上がってきて「こういう場合はこう」というシステムができてくればもっと安心して手が出しやすくなるのではないかと思います。
 
 
 
 そういうわけで、大阪の人、誰か人柱になってくれません?