昨日の記事で、id:Cichlaさんからこのようなご質問をいただきました。
同じ不動産業者から斡旋された住宅でも,誠実な大家さんの持ち家ならトラブルは最小限で抑えられたという事? であるならば,住居者はどのようにして大家さんの情報を得る事ができるのかを教えて頂きたいな
はてなブックマーク - goldheadさんの原状回復の件を読んで思ったこと。 - 不動産屋のラノベ読み
一度は「それは無理」とお答えしたのですが、無理という答えではネタにならないな素っ気なさすぎるなと思い、一応の方法を考えてみました。
なお、これは私的な考えですので自己責任でお願いしますね。
不動産屋は取引について重要なことは答えなくてはいけない
ちょっと法律の話が続きますが我慢して読んでください。
宅建業法によると、
(業務に関する禁止事項)
宅地建物取引業法,(略)宅建業法
第47条 宅地建物取引業者は、(略)次に掲げる行為をしてはならない。
1.(略)次のいずれかに該当する事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
とあります。つまりウソはもちろんですが、知ってて黙ってるのもNGということです。では、どんな事項が当てはまるのでしょうか。
(略)
ニ イからハまでに掲げるもののほか、(略)取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であつて、宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの
「大家がこんな信用の置けない人だと知ってたら借りなかったよ!」というのは、明らかにこれに当てはまると思います。
ただし、個別のケースはともかく、一般に「過去に大家が原状回復でもめたことが契約の判断に重要な影響を及ぼす」ということが常に言えるかどうか、については疑義のあるところでしょう。
そこで。
不動産屋に「自分にとっては重要な事項である」ことを告げてしまいましょう。
「私は、原状回復で入居者からクリーニング代を全部取ろうとしたりしてもめたりする大家とは契約したくないのですが、過去、この部屋の大家さんはそのようなトラブルがありましたでしょうか?」
消費者契約法はチート
実は、入居者をサポートする強力な法律が他にもあります。
消費者契約法です。
(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
消費者契約法
第四条 消費者は、(略)これを取り消すことができる。
一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
(略)
2 消費者は、(略)当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。(略)
(略)
4 第一項第一号及び第二項の「重要事項」とは、消費者契約に係る次に掲げる事項であって消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきものをいう。
一 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容
二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件
まじチートっすよねえ。
もっとも、「過去に大家が原状回復でもめたこと」が「契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの」であるかどうかは、それなりに疑義のあるところではありますね。