リノベーションって、首都圏ではそれなりに見つかるんですが、地方都市ではあんまり流行りません。
はじめは「認知度が低いだけか」とも思っていたのですが、そうではないようです。
物件価値は土地+建物
例えばですね。
100坪の土地に2LDK×4戸の賃貸物件を建てるとします。建築費は2000万円。
土地は地方:坪20万円・首都圏:坪100万円とします。
それぞれの費用は以下の通りです。
土地 | 建物 | 計 | |
地方 | 2000万 | 2000万 | 4000万 |
首都圏 | 10000万 | 2000万 | 12000万 |
さて、想定賃料を地方:7万円・首都圏:12万円とすると、年間収入と利回りは以下の通り。
土地 | 建物 | 計 | 年間収入 | 利回り | |
地方 | 2000万 | 2000万 | 4000万 | 336万 | 8.4% |
首都圏 | 10000万 | 2000万 | 12000万 | 576万 | 4.8% |
地方の不動産投資のほうがリスクが高いことと、キャピタルゲインが難しいというかむしろロスしてしまう、という事が起因がと思いますが、一般的に地方の利回りは高いです。
リノベーションは土地価値が高い方が有利
さて、この賃貸物件が経年劣化して、稼働率が50%に落ちたとします。
満室時 | 現況収入 | |
地方 | 336万 | 168万 |
首都圏 | 576万 | 288万 |
ここで、1000万円かけてリノベーションすれば稼働率を100%に戻せるとしましょう。すると、リノベーションコストに対する利回りは、以下の通りです。
リノベーションコスト | 収入増 | 利回り | |
地方 | 1000万 | 168万 | 16.8% |
首都圏 | 1000万 | 288万 | 28.8% |
地方はリノベーションコストを回収するのに首都圏の倍近くかかってしまいます。スクラップして土地売却した方が良い投資判断になることも多いでしょう。
もちろん、色んな要素を省いて計算していますので実際はこんな単純な話ではなくなるのですが、物件価値に占める土地の割合が低い地方の賃貸物件は、首都圏の物件よりリノベーションコストを抑えなければいけません。リノベーションだけではなく初期建築コストにも同じ事が言えますから、デザイナーズマンションが地方に少ない理由もそこにありそうです。
つまり、かっこいいマンションに住みたければ東京に行けって事です。