不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

賃貸vs持ち家論争のお作法

anond.hatelabo.jp

 
 
 ↑このような記事がありまして。
 
 かねてよりブログで「賃貸vs持ち家論争」を何度も何度も取り上げてきた身としては、記事を書くしかない気持ちになりました。
 「賃貸vs持ち家論争」にはいくつかの前提条件があると思っているのですが、それが論者間で共有されているかというとそうでもないので、本論とは関係のないところでやり取りが発生することもしばしばありました。
 いい機会なので、この前提条件を提示してみたいと思います。
 

賃貸vs持ち家論争のお作法

 

お金の話です

 
 「賃貸vs持ち家論争」は、賃貸と持ち家、最終的にはお金の面でどちらが得か、という話です。
 お金の話をしましょう。
 

住宅ローン利用が前提です

 
 自己居住用の不動産は一般に住宅ローンが利用されます。ですので、一般的な融資条件のことが議論の中に含まれます。
 つまり、金利変動などによって結論が変わります。
 

居住性や幸福感の話はやめましょう

 
 居住性や幸福感など「買ってよかった」というような主観的な話はやめましょう。
 そういったものの価値判断は人によって異なるので、議論をする意味はないです。
 まず、お金の話をしてから、「賃貸の方が生涯で300万円有利だった」などという結果を元に、「幸福感のためなら300万円ぐらいは安い」という主観的な判断をご自分でしてください。
 幸せに値段は付けられません
 

同じ物件で比較してください

 
 一般に、賃貸用に作られた住居の方が、分譲用のものよりもチープです。それらを比較してもあまり意味はありません。
 ですので、同じ物件が賃貸に出た時と売買に出た時の比較をするのが望ましいです。いわゆる「分譲賃貸」に話を限った方が効率がいいです。
 現実的には全く同一の物件だと難しいと思いますから、「分譲賃貸」と「分譲マンション」の市場を構成している物件がおおむね同等であるという前提のもとに、市場全体を比較することになるかと思います。
 

投資は出口までが投資です

 
 お金の話なので、どこかの時点での市場価値で比較します。使用価値は見ないです。つまり、「65歳で不動産を売ったとして」のような条件が入ります。
 ボードゲーム「人生ゲーム」では、ゴール時に家も株式も保険も子供も全部換金して順位を付けますが、そのようなイメージで考えるとわかりやすいです。
 
 含み益はしょせん含み益なので、勝ち誇るのは売り抜けた時か、死んだ時にしてください。ただし、前述の通りここではお金の話しかしませんので、「マンションを買って5年で売ったら300万円の差益」と「家を買って50年住んだら価値ゼロだったが、幸せな暮らしができた」と、どちらが勝ち組なのかについてはヨソでやってください。
 

蛇足

 
 こちらの記事も参考にしてください。
 
realtor-readyabooks.hatenablog.com