更新料裁判:地場大手賃貸管理会社の損失は8000万円と推定
いよいよ、明日7月15日は「更新料裁判」決着の日ですね!
この夏、不動産業界いちばんのイベントです。結果如何に関わらず、みなさんで盛り上げて楽しんでいきましょう!*1
アンケートをしてみました
最近、こんなネタばっかりですが、アンケートをしてみました。
7月15日の最高裁判断で「更新料無効」となったとして、あなたはどうしますか。一番近いものを選んでください。
意外や意外、弁護士・司法書士に頼む人は8%弱という結果が。もっと多いのではないかと思っていましたが、この程度でも十分法曹ビジネスになるのかもしれませんね。
その他、「今後の更新料無効であればいい」「特に何もしない」という方が、半数を超えました。もっと少ないかと思っていましたので、これもちょっと意外です。
管理会社はどれぐらいの損失になるだろう?
せっかくアンケートをしたので、結果をもとに賃貸管理会社の損失を推定してみましょう。
想定は以下のとおり
管理戸数1000戸
平均賃料5万円
平均空室率80%
平均居住年数4年
2年ごとに更新料1ヶ月
更新料の半分を大家が、半分を管理会社が受け取る
さかのぼって返還する期間をほぼ10年としますと、更新は最大5回です。これに平均賃料と戸数をかけます。
5×1000×5万円=2億5000万円
しかし、入居者が入れ替わった場合、更新料は受け取れません。平均居住年数が4年想定ですので、更新料発生も4年に1度、10年で2.5回と半分になります。
25000÷2=1億2500万円
空室のお部屋からは更新料がありませんので、平均空室率80%をかけます。
12500×0.8=1億円
この更新料を大家と管理会社で分けていますから、1/2します。
10000÷2=5000万円
こちらが、潜在的な更新料返還債務の総額となります。
ところでアンケートの結果で、「全額返還請求」する方が128人中23人、「一部返還で妥協」する方が128人中35人でした。一部返還を半額とすると実際に返還することになるのは、
(23/128)+(35/128)/2=32%
全体の32%となります。金額にしますと、
5000×0.32=1600万円
1600万円です。戸当たり1.6万円という結果になりました。
これは大家さんにも適用できますね。一般化して分かりやすく書くと、
【家賃】×【戸数】× 0.32
です。あなたが家賃10万円総戸数20戸の賃貸マンションに住んでいるなら、大家さんは概ね64万円の損失です。ざまあみろですね。*2
楽しみですね
ちなみに、「管理戸数1000戸」は規模としてどの程度のものかというと、たとえばこちらの会社は6696戸で全国125位ということですから、地場中堅管理会社の真ん中からちょっと下の方あたりでしょうか。
「この辺の物件はあの不動産屋がたくさん持ってるんだよね」と地域で知られているような会社であれば、5000戸ぐらい管理していますから、まあ、8000万円ぐらいの返還請求と推定します。
業界最大手の大東建託さんは60万戸管理してます。戸数だけでいうと10億の返還請求ですね。ただ、大東さんは更新料をなしにしていますので、実は全く問題ないのですが。
でもまあたぶん
「不当に高額の更新料でない限り有効」という判断になると予測してます。