不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

バブル終焉の兆し


 不動産バブルは終了かもしれないな、と感じています。
 分譲マンションの苦戦が目立ってきているように思えます。これは他の地方都市でも同じ事を聞きます。そのうち首都圏郊外も苦戦するようになるでしょう。
 もちろん、今までも売れ行きの悪いマンションはたくさんありました。
 それでも、デベロッパーが「全部屋白紙解約→賃貸物件としてファンドに1棟売り」なんて方法で切り抜けてきたんですが。
 ちょっと、ファンドの事情が変わりそうです。

最近の長期金利の上昇を反映し、利率は前回4月債より0・37%高い年1・50%(税引き後1・20%)で、「固定5年」個人国債の発売が始まった2006年1月以降で最も高くなった。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070612i512.htm?from=main5
国債利上げは不動産価格を押し下げる

 投資をしている人にとっては当たり前の話だと思いますが、不動産の利回りは、国債の利率より高くなければなりません。これは、それぞれのリスクを考えると当然のことです。同じ利回りならばローリスクな方に投資が集中します。だから、ハイリスクな投資先は利回りが高くなるのです。
 さて、不動産における利回りとは、収益÷不動産価格です。そして、収益とは主に賃料です。賃料は上昇しにくい*1ため、利回りを上げるためには不動産価格を下げるしかないわけです。
 また、最近の原材料高騰の影響で建築コストが上昇しています。不動産価格=土地+建物であるならば、さらに土地価格を押し下げるでしょう。

銀行金利上げは不動産価格を押し下げる

 また、一般住宅にも同じような事が言えます。
 住宅購入の費用は、その人の収入の額で決まります。最近景気が良くなったとはいえ、賃金の上昇には至っていないようです。当然住宅購入費用は一定となります。
 ところで、住宅購入費用=不動産価格×住宅ローン金利*2です。住宅ローン金利が上昇すると、不動産価格が下がるしかないわけです。
 また、直近の建築基準法改正により、ハウスメーカーや設計事務所のコスト増が予想されます。これは建築コストをさらに押し上げ、地価を押し下げる結果となるでしょう。


 そんなこんなで、キャピタルロスを危惧してファンドの仕入れが鈍るんじゃないだろうかという予想を元に、デベロッパーの動きが静かになるんじゃないかな、と考えています。








 実は、1年ぐらい前に同じ予想をして、見事に外しているんですけどね(w

*1:「上方硬直性がある」とかいうと、プロっぽいです

*2:住宅ローンは複利のため本当は単純な掛け算ではありませんが