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不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

不動産系SIerさんが知っておくべき新・3大消費税増税の経過措置

不動産

 
まず、不動産系SIerさんに申し上げておきたいのは、賃貸契約について今度の消費税増税には経過措置があるということなのであります(怒り新党風)
 
さて。
以前、ツイッターでかおかおさんに教えていただいたことがありまして。


私の周辺の不動産屋さんで、このことを知ってた人はいませんでした。
とはいえ、貸主・借主が両方とも得するような状況が想定しにくく、実務的に契約の巻き直しをするのは難しいかもなあ、と思ってある程度スルー*1していたのですが。
 
 
 
ところがこれ、意外なところに落とし穴がありそうなんです。
物件をある程度の管理している不動産屋さんですと、賃料の請求なんかはITシステムを導入してある程度自動化をしていると思います。そこに問題が出ます。
 

外税か内税か

たとえば、月極駐車場の管理をしていて、請求をシステム化しているとします。

  1. 契約で、消費税込2万円の契約をしている場合は、税込なので請求金額は増税後も変わりません。
  2. 契約で、外税で2万円の契約をしている場合は、外税なので20,000円の請求から、20,571円の請求に変わります。

この辺は、普通にシステムに組み込まれているものでして、契約情報に内税・外税の区分を持っていることがほとんどでしょう。それほど問題なく対応できるはずです。
 

経過措置によって税率が変わる

冒頭でご紹介したとおり、契約の内容が「解約条項なし」だったり「賃料改定条項なし」だったりすると、経過措置によって増税後も消費税率が据え置かれるんです。
ということは、さきほどの2パターンでは済まないことになります。

  1. 内税契約で経過措置なしの場合、税率は8%で、請求は20,000円です。
  2. 内税契約で経過措置ありの場合、税率は5%で、請求は20,000円です。
  3. 外税契約で経過措置なしの場合、税率は8%で、請求は20,571円です。
  4. 外税契約で経過措置ありの場合、税率は5%で、請求は20,000円です。

問題は一番最後です。システムでの請求処理は外税ですから20,571円を請求しようとしますが、経過措置により税率が据え置かれるため、本来は増税後でも請求金額が変わらないのです。
 
これがまだ契約書の条文が統一されていればいいのですが、たとえば他社の仲介によって契約書式が作られていることがある場合は契約によって書式が異なりますから、同じ駐車場でも区画によって請求金額が変わってくる、なんてこともあるかもしれないんです。そして、その区画についていくらで請求を立てればいいのか、というのは契約書をひっくり返して調べないと分からないという、なんとも恐ろしい事態が待っている可能性があるんです。
契約書をひっくり返し、システム改修を入れて、全ての契約情報に経過措置の有無を入力していく、という作業はあまりやりたくない仕事ですよね。管理駐車場が多い会社さんなんかは、繁忙期前じゃないと間に合わないんじゃないですかね。

*1:巻き直しをした契約もありました