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不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

内田樹先生の論がいろいろとおかしい

 
 というか、枕にしたものがおかしいようです。
 

「学びたい」という欲望は、自分が何のために何を学んでいるのか「すこしわかりかけているのだが、全部はわからない」ときに亢進する。

学力テストについて (内田樹の研究室)

 いろいろと読むと、内田先生は「何のために勉強するのか」とかを教えてはいけない、とお考えのようです。
 その考えの是非は分かりませんが、この記事の文章は破綻しているようです。
 

原因と結果を混同している

今学校は「換金性の高い知識や情報や技能を習得する場」というふうに単純に理解されている。

学力テストについて (内田樹の研究室)

今回の統計によって、「学力格差は経済格差である」というこれまで信じられてきたテーゼの根拠が失われた。

学力テストについて (内田樹の研究室)

 一言で言うと「経済格差が学力格差を生んでいるというのは否定されたから、お金持ちになるための教育をやめるべきだ」ということです。
 しかしながら、これは論理の持っていき方がおかしいです。
 たとえ、この研究が信頼できるとしても(あとで書きますがそうではないと思いますが)、言えることは「お金持ちの子供が学力が高くなる」の否定であって、「学力が高いとお金が稼げる」の否定ではないのです。
 分かりやすく書きますと、

  1. 親がお金持ち
  2. 親がお金持ちなので学力が高くなる
  3. 学力が高いとお金持ちになれる
  4. お金持ちになれた!

 この2番目が否定された(?)わけです。ですから、このような状況に変わるはずです。

  1. 親がお金持ち
  2. 勉強を頑張ったので学力が高くなる
  3. 学力が高いとお金持ちになれる
  4. お金持ちになれた!

 つまりですね、学校が「換金性の高い知識や情報や技能を習得する場」であること(本当にそうであったとして)をやめる理由は全くないのですね。
 

地域定着度が高いと成熟する?

 もう少し批判しましょう。

今回の研究によれば、学力格差は「学ぶ意欲」(インセンティヴ)の格差であり、それは親族・地域・学校という場への定着度に相関する。
さまざまな「しがらみ」のネットワークの中に絡めとられているせいで、自己利益の追求ばかりでなく、同時に帰属集団の公共的な福利をも配慮しなければならない子どもたちは学力が高い。
というのは当たり前で、さまざまな集団のステイクホルダーであり、そのつどふるまい方や話し方を適切にシフトしなければならないという条件があれば、子どもは成熟せざるを得ないからである。

学力テストについて (内田樹の研究室)

 まー、つまり、一言でいうと、「親の離婚を経験した子供はそうでない子供より成熟が遅い」らしいです。普通、逆じゃないの?
 私なんかに言わせると、転勤族の子供は転校をするたびに「そのつどふるまい方や話し方を適切にシフトしなければならない」ので「成熟せざるを得ない」と思いますが、これは逆らしいですよ。自分の生まれた街を出た事がないような子供の方が成熟が早いんですって、こりゃどうも。
 

そもそも研究結果自体が……

 そもそも、この枕になってる研究結果がどれほど信用できるのでしょうか。

両テストの小学6年と中学3年の国語・算数(数学)の都道府県別正答率と、国勢調査など統計データを分析。

http://mainichi.jp/kansai/news/20091117ddn001100003000c.html

 簡単に言うと、「大阪では離婚をする人が多くて学力が低いみたい。これって何か関係あるんじゃね?」ということです。内田先生の記事だけ読んでいると子供単位で解析しているように読めますが、そうではなくて都道府県単位、標本数は47。考えてみれば当たり前ですよねー、テストの解答欄に「あなたの親は離婚していますか?」なんてチェックがあったら大問題。
 しかも、この比較、1964年と2007年の比較なんですよね。1964年と2007年の持ち家率じゃ、そもそも全然違うでしょ。
 さらに言えばですよ、

これに対し、教育娯楽費割合が0・566から0・134(中3数学)となるなど経済的な豊かさにかかわる指標は影響が小さくなる傾向が出た。

http://mainichi.jp/kansai/news/20091117ddn001100003000c.html

 はいすいません、教育娯楽費「割合」ってなんですか。なんで金額じゃないんですか。都道府県に収入の格差があれば「教育費割合」と「教育費金額」がひっくり返る事だってありえますよ。
 
 というかですね、私、こんな記事を発見してしまったんですけれども!

全国一斉学力テストの結果を受け、大阪大学の志水宏吉教授は、日本の学力問題は、地域間格差から地域内格差の時代に移行したと指摘する。
(略)
この就学援助率と学力との間に、かなりの相関関係があることが明らかになった。「就学援助率が高い学校ほど、平均正答率が低下」という顕著な傾向が認められた。言い換えるなら、校区の社会経済的な状況が、子供たちの学力に大きな影響を及ぼしているということである。

学力テスト結果公表 地域内の差こそ問題 データ分析し解消策を 大阪大学教授志水宏吉 教育 日本経済新聞 | 賃労働 - 楽天ブログ

 どっちなんですか先生ww!
 
 
 

実は怒ってます

 つーか。
 親が離婚した子供は「つながり格差」があるとか、ほんと、いっぺん上野千鶴子あたりにひっぱたかれて来いよ。どういう暴論なんだ。いーかげん、その「片親の家庭は不幸」みたいな発想捨てろって。平成の世にはお呼びじゃないよ。