今日、ツイッターでこういうツイートを読みまして。
この地雷魚さんという方はコンサバの人でして、リベラルの私とは政治的意見が合わないことが多いのですが、仰っていることには筋が通っていて色々と勉強になるので、リスペクトをもってフォローさせていただいている次第なのです。
で、まあ、銀河英雄伝説を読んだ事がある人はご存知だと思いますが、主人公が国歌斉唱で起立しなかったりと、まあ確かに今読んだら香ばしいかもしれないので苦笑しながらTLを見ていたのですが、ちょっと絡みたくなったのでこんなやり取りをしました。
@lhankor_mhy いやあれ、完全に中共でしょう(笑) 野党や派閥そのものが存在を許されていない政治体制なんだと思いますよ。作者もモロかぶれてますし、中共を理想にしてしまったイタイ人たちのパラダイスですね。
@lhankor_mhy 党員でなきゃ反戦活動すらできないような体制でしょ(笑) あれは美化された中共で、ヤンは林彪がモデルですし。ハイネセンは毛沢東ですしねー。もうあからさま過ぎるレベルす。
まあ、小説の読み方で議論をしてもアレなので反論は避けました。
たしかに田中芳樹はリベラルな人で、特に創竜伝なんかは顕著なんですが、思想に偏りがあるというか、青少年が読むと政治的に偏向してしまうんじゃないかという表現が多いです。ですがまあ、リベラルと共産主義にはずいぶん距離があるし、田中先生は反権力反権威的な感じがするので、より一層中共とは遠い気がします。
で、うん、なんというか、銀河英雄伝説が「中共を賛美」してるかっていうと、まあもちろんそういう読み方もアリなんだろうなあとは思います。
ただ、違う読みもあるだろうと思うんですよね。
物語の中の主人公ヤンは、自国の政治の腐敗に辟易としながらもそれでも「汚された民主主義」を守り通そうとしていきます。ヤンの「戦争嫌いの名戦術家」「政治嫌いの民主主義の守護者」という矛盾が彼の魅力を増しているわけです。そういった観点から見れば、仮に自由惑星同盟が「美化された中共」だとしても、道具立てとしては「汚された民主主義」なのであって、決して「理想の政治形態」とは読めないのです。
銀河英雄伝説を私が読むなら、「最高の専制君主より最低の民主政府の方がましだ」というヤンの台詞に尽きるのです。
ええ、もちろん、本をどう読むかは自由ですし、私の読み方は少数派なのかもしれません。しかしそうであるならなおのこと、ラノベ読みとして、私の読み方を記して置かずにはいられなくなり、ブログ記事としました。