はてなのニセ科学ハンターid:NATOROMさんのエントリに対し、
主流煙より副流煙の方が害が大きいというのは嘘だ。3倍の害とかいう数字は、含まれる有害化学物質の量などから出てきたのであろうが、主流煙は直接吸い込むのに対し、副流煙は空気によって希釈されるのだ。希釈の効果を考慮せずに受動喫煙の害を声高に主張するのは、やはり希釈の効果を考慮せずに排気ガスのほうが能動喫煙よりも有害だと主張するのと同じ誤りに陥っている。
嫌煙系のトンデモ - NATROMの日記
id:I11さんが、以下のようなつっこみ。
I11 疑問多し。「タールは胎盤を通過しない」と断言しているが根拠不明。「副流煙は希釈される」と書いているが空気は滞留するので部屋で吸っていたら副流煙を何度も何度も吸うことになる。
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面白いので、ちょっと計算してみます。
簡単のため、六畳間に副流煙1リットルを一度に撒いたとします。
六畳間の高さが2400だとして、3.3057*6/2*2.4 = 約22.01立米が空間の体積。つまり、22010リットル。
理想的に拡散したとすると、0.00454%に希釈されます。ググったら、成人男性の呼吸量は8リットル/分とのこと。1時間頑張って、原液換算で約21mlを呼吸することになります。ですから、副流煙が約50倍主流煙より危険であるなら、トントンになる計算です。
もちろん、拡散が理想どおりに行くはずはないし、1時間も副流煙が何物にも吸着しないはずもないので、この計算は机上のものです。しかし、50倍も違えば、ある程度の結果も見えそうですね。
ところで、建築基準法で24時間換気が義務付けられているのはご存知でしょうか。その換気量は0.5回/時間以上と定められています。部屋で延々とタバコを吸い続けても、着々と換気されていきますので、最終的には一定の濃度になるはずです。
六畳間で副流煙を1リットル/時間のペースで流し続けると、最終的には0.0091%の濃度になります。前述の計算の2倍。これも、やはり主流煙の方がより有害であるように見えます。
副流煙が主流煙よりも3倍有害物質が含まれるとすると、副流煙を333ml呼吸すれば1リットルの主流煙よりも有害になります。1時間部屋にいた時にこの量の副流煙を呼吸する為には、濃度が2%に落ち着くような勢いで流し続けなければなりません。これは、約220リットル/時間という量です。
タバコ1本でどの程度の副流煙が出るのかソースが見当たりませんでしたので、これがどの程度の量か良く分かりませんが、どちらかというと220リットル/時間の副流煙を生産している主流煙の方が有害でありそうです。
どうなんでしょう、実際のところ。