不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

日経の連帯保証人の記事がなんか変

 会社役員のAさんは学生時代からの親友に「独立するので事業資金を借りる時の保証人になってくれ」と頼まれ、悩んでいます。万一を考えると心配ですが、むげには断りにくい間柄です。保証人になると、実際にはどんなリスクがあるのでしょうか。

 
 こんな質問を枕にした記事があり、「連帯保証人はよく内容を把握してないと危険だよ」だとか、「民法改正で限度額が定められるかもよ」だとか、そういうアドバイスがされているんですが。
 
 
 
 それって、的外れですよね?
 
 
 
 2011年の日経記事です。

金融庁は中小企業向け融資で、原則として連帯保証の対象を経営者本人に限定する方針だ。経営者以外の第三者は連帯保証人にしないよう金融機関に求める。実際に保証を求める場合も資産や収入などへの配慮を要請する。

 
 2006年の中小企業庁のお知らせです。

このため、中小企業庁では、信用保証協会が行う保証制度(注)について、平成18年度に入ってから保証協会に対して保証申込を行った案件については、経営者本人以外の第三者を保証人として求めることを、原則禁止とします。

http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2006/060331daisanshahoshou_kinshi.htm

 
 2011年の金融庁の監督指針改正のとりまとめです。

経営者以外の第三者の個人連帯保証を求めないことを原則とする融資慣行を確立し、また、保証履行時における保証人の資産・収入を踏まえた対応を促進する」という政策趣旨に鑑み、適切に取り組む必要がある。
(中略)
業務運営の適切性、健全性に問題があると認められれば、法第 24 条に基づき報告を求め、又は、重大な問題があると認められる場合には、法第 26 条に基づき業務改善命令を発出するものとする。

http://www.fsa.go.jp/news/23/ginkou/20110714-2.html

 
 というわけで。
「親友から融資の保証人になってくれと頼まれたんだが」という相談へのアドバイスは金融庁にチクリましょう」が正解だと思うんですが、どうなんでしょうか。
 そりゃまあ、そんなことしたらその親友の融資が流れてしまうかもしれないですから、現実には「銀行には逆らえないよね」という話になるかもしれませんけど、日経新聞の紙面なんですから建前ぐらいはちゃんとしたほうがいいのでは?