↓よくあること。
勉強になるけど、そもそもが東京ルールや賃貸住宅の原状回復をめぐるトラブル事例とガイドラインに従っていればこんな面倒なことをせずに済むのに、なんでわざわざこんな契約を結ぼうとしているのだろうか。
賃貸物件の契約書で気になっていること - Money does not hurt your heart
Oriuta27 こんな感じのことを細々問い合わせたら、「うるさいこというんならあんたには貸さないよ」って言われたことがあります。
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よくあることですが、「よくあること」で済ますとエントリにならないので、どうして「よくあること」なのか説明します。
オーナーさんは詳しくない
もちろん、借地借家法に詳しいオーナーさんもいますが、そうでない方が多いです。ですので、業者が「いつもと違うんですけど、こういう契約で行きたいんですが」と持っていっても、オーナーさんにとってはその変更でどれだけのリスクを抱えるか分からないので、同意しづらい。で、リスクを避けるために「いいよ、そんなんだったら他の人探してよ」というのは、よくあることです。
先付け物件は難しい
仲介の構造は、
借主 - 客付業者 - 元付業者 - 貸主
ということになっていますので、客付業者が借主の要望に応えたくても元付業者が良い顔をしないというのはよくあることです。
契約書はテンプレになってる
よくある営業支援システムなんかですと、契約書はテンプレになってて物件DBからデータを引っ張ってきて埋め込んで生成します。だから、その固定文字列を変えるのはシステム上難しいです。
で、なんでテンプレにしておくのかというと、リーガルリスクを下げる為ですね。営業が好き勝手に契約書を作っていては、必ずボロが出て訴えられます。ある程度のチェックをしなければならないですが、繁忙期だと1人あたり30件/月ぐらいの契約をするのは普通なので、その度にこの契約書が妥当かどうか店長やら役員やらがチェックするのは効率がよくないです。そういうわけで、契約書のテンプレを作って顧問弁護士にチェックしてもらって、「このテンプレに従って契約書を作っておけば大丈夫」みたいにしておくのです。
営業の一人一人が個々の契約に最適な特約をつけて契約するのが本当の意味での仲介業務なんでしょうが、それを実行するには賃貸営業は多数の契約を抱え忙しすぎます。また、若い営業の半分ぐらいはそれほど法律知識が高くないので、能力的に無理、というのもあります。宅建の資格持ちは従業員の1/5いればOKなので、「私、不動産のこと良く分からないですし、今まで引越ししたこともありません」みたい営業がどうしても存在してしまいます。まあ、宅建持ってりゃいいかっていうとそうでもないですけど。
カスタマイズ契約にはコストが必要。
そういう事情がありますので、テンプレを超えた契約をするためには「借主・貸主・営業の3者で折衝」→「仲介業者でのリーガルチェック」という手順を踏まなくてはいけないです。これは当然コストと時間がかかるので、営業としては嫌気が差して*1「じゃあ結構ですよ」という答えはよくあること、ということになってしまいますね。
もちろん、仲介料をたくさん頂ける物件なら、あるいは暇でどうしようもない時期なら、話も違ってくるとは思います。