不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

別荘シェアの法的な話


 ↓ご購入おめでとうございます。その辺りに建てられたマンションは排水に気をつけて下さいね。

新しいタイプのシェアハウスについて考察するなど積極的に活動を続けてきた我々「新しい住まいのあり方について考えるニートの会」(今作った)ですが、この度その実践の第一弾として熱海に共同で別荘を購入してみました。

ニートだけど別荘を買った - phaの日記

さらに想像を広げると、自分の別荘を他の人に貸すかわりに他の人の別荘を使わせてもらえるようになる、というような別荘共有システムとかあったらいいかもしれない。無線回線共有のfonみたいな感じで。沖縄行くときは沖縄に別荘ある人のを貸してもらうとかするの。


 で、私、ブクマで

自分で共有持分登記したのか。節約してるなー。/『無線回線共有のfonみたいな感じで』は、考えてみたけど、問題ない気がしてきた。使用貸借よりも、面倒でも1/100ぐらい持分持ちあった方が法的には安定するね。


 と、コメしたんですが、違うかもー、と思ったので取り急ぎ。

別荘シェアは法的には以下のどれか

・短期の定期借家契約
 →期間を定めて賃貸借するものです。更新の強制力がないので、居座トラブルに合法的に対応できます。賃貸借ですから使用料も請求できます。


・使用貸借
 →期間の定めのない使用をする場合にはこちらかな。契約書もなくてもトラブルになりづらい。ただし、使用料は取れないし、親類などの特別な関係の相手を想定した法令なので、別荘シェアに適用できるかどうかはちょっと疑問。


・一時使用
 →特定の目的の為に一時使用するための賃貸借。ウィークリーマンションなんかで使われる契約です。一時使用と外形的に明示する為に、契約書が必要。


・共有持分持合
 →1/100ぐらいの共有持分を持ち合うやり方。自分の所有になるので、貸借契約をしなくても良いのが楽ですね。


 と、色々あるのですが、実は障害が。

1ヶ月未満の賃貸は旅館業法の許可が必要

 法令として明文化されていませんが、旅館業法の許可を得ずに1ヶ月未満の賃貸を繰り返していると、指導を受ける可能性があります。
 この辺、根拠は厚生労働省の通達だけで、明確な基準もないのですが、部屋の管理を所有者がしていて不特定多数の宿泊があり管理手数料などをとる場合、グレーな感じです。使用貸借であれば大丈夫だと思うけど、自信ありません。

共有持分持合は、面倒

 共有持分持合であれば、旅館業法の適用は受けないでしょう。なにしろ自分の部屋な訳ですから。
 そう思ってあのコメントだったのですけど、一晩寝て良く考えるとシェア関係の構築・管理・解消が大変でした。
 例えばシェア活動がうまくいって全国に20部屋確保できたとすると、シェアに参加するには20回の所有権交換契約を結ばなきゃならないです。しかも、それぞれに転売無効特約・所有権買戻特約を結ばなきゃいけない。これがないとシェア契約と独立に第三者に所有権移転できてしまいます。第三者が危ない人だったら大変。
 その他にも色々リスクが高いので、やはり共有は気の置けない友人までにとどめておいた方が無難でした。すみません。


 そういうわけで、使用貸借が本命です。当たり前の結論ですみません!!