不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』の何が気持ちいいのかというと、

 ↓この辺の記事を見て、ちょっと作品がかわいそうになったので少し書いてみる。
 
togetter.com
b.hatena.ne.jp
 
 
 
 社会人やってると、自分が「正しい」と思ったことをやれる機会はなかなか少なくて、「あー、こうした方がいいんだけど、会社|家族|地域|社会がうるさいからなー。もめると面倒だしやめとこ」みたいなしがらみに負けちゃうことがあるあるなんだけど、でも心の中では自分が「正しい」と思ったことをやってみたいと思ってるし、それでよい結果になればうれしいだろうし、周りから評価されれば最高だろうと思う。
「家出少女をかくまう」ってのは、自分が「正しい」と思っても、法的にはNGだし、リスク高けえし、よい結果が出るとも限らない。だから普通はしり込みする。
 それをリスクがわかっていてもやってしまう主人公の吉田の行動に対して爽快感を感じる、というのが、この作品のカタルシス
 
「かわいい女子高生と同居する」ってのは、オマケというか、ひとつの舞台装置に過ぎない。
 
 ってことなんで、普段からリアルで自分が「正しい」と思ったことをやってる人は、その抑圧がないから、このカタルシスは得られず、舞台道具を主題と見なして、ただの「かわいい女子高生と同居する」お話と読む傾向にあるような気がする。しらんけど。
 

 
 つっても、俺も初めにタイトルとカバーを見たときには「きめえな」と思ったし、そのせいでしばらく積読してたんで、否定的な反応をする人の気持ちもわかる。
 3巻は追い詰められたところで終わってるので、4巻は修羅場になると思うんで、とても楽しみ。
 最終的には、沙優とくっつく展開にはして欲しくないな、とは感じてる。それじゃ、「正しさ」が減るんで、気持ちよさが半減する。
 
 
 

家庭用謎水装置こと日本システム企画「ニューウォーターマックス」がいつの間にかなくなっている件

webronza.asahi.com
↑こちらの件ですが。
 
 NMRパイプテクターはマンション用の商品ですが、日本システム企画さんは家庭用の商品も取り扱っています。
 

家庭用NMR活水装置「ニューウォーターマックス」

ご飯も美味しくなる「ニューウォーターマックス」

f:id:Lhankor_Mhy:20191011202612p:plain
http://www.mu-trade.com/trade_section/new_water.html
 
 こちらの販売ページは、テキストのないペライチページなので、しかたなく画像で引用しますが、「一般生成菌を減少する」「ご飯がおいしくなる」と謳った、家庭用のNMR活水装置であることがわかります。
 

カイワレも生えてくる「ニューウォーターマックス」

www.lymphnet.co.jp
 こちらの販売ページ、日本システム企画さんはNTTのOBさんと何か関係があるんでしょうか? 「カイワレ大根は2倍の発芽率」「コーヒー・お茶などが美味しくなります」と謳っていますね。
 

NMR活水装置のすごさを知らないの?

 ……え?なにか変ですか?
そんな何にでも効く装置があるわけない」ですか?
 水のクラスタが小さくなって浸透率が上がるんですから、それぐらいありえるでしょう。*1
 それどころか、NMR活水装置にはこんな効果もありますよ。*2
 

アワビが大きくなるかもしれないNMR活水装置

町内では漁協関係者による稚貝の放流が行われてきたが、この試験育成の主な目的は日本〜(株)の製品「NMRパイプテクター」の効果を確かめる事だ。水槽内の細菌数を減らし、魚などの成長を促すといい、アワビの生存率や成長率をどう向上させるかを、定期的にディスカバーブルーが記録している。水槽に沈む稚貝は3cmほどで海藻を食べて育つ。通常出荷まで数年かかるが、リミットは1年。限られたチャンスを生かして地元っ子に海の恵みを教える「教材」としても活用する予定だ。

www.townnews.co.jp

 アワビが大きく成長するかもしれないらしいです。上手く行けば神奈川の学校で教材になるかもしれないらしいです。楽しみですね。*3
 EM菌といい神奈川県はネタに困らなくてうらやましいです。
 

血管もきれいになるNMR活水装置

10年程前から奥羽大学薬学部の先生方と共同で血管内の酸化抑制等の研究を行っております。2010年デンマークコペンハーゲンで開催された世界臨床薬理学会(WorldPharma2010)の年次大会で、世界で初めて物理的に血管内の酸化ストレス(活性酸素)を抑制することに成功した研究発表を行いました。
その後2013年にお茶の水女子大学で行われたマイクロダイアリシス研究会で、血小板への効果についても研究発表がされました。
また、本年7月2日から5日に京都の国際会議場で開催された世界臨床薬理学会(WCP2018)で物理的に血圧を減少させる研究発表を行いました。以上については添付資料③、④、⑤をご参照ください。

www.jspkk.co.jp

 こちらでは、血管内での抗酸化作用や、よくわからないですが血小板への効果、血圧減少効果が謳われています。万能ですね*4
 

適正な広告に生まれ変わった「ニューウォーターマックス」

 ああ、話がずれてしまいました。
 去年、謎水さんが「NMRパイプテクターについて消費者向け商品じゃないので官庁が相手してくれない」とお困りでしたので、こんなツイートをしました。


 これは、前掲の「ニューウォーターマックス」のことです。こちらの商品は家庭用ですから、広告に優良誤認があれば消費者庁が対応してくれます。日本システム企画さんも当然、誤解を生みやすい表現をなくしてきちんとした商売をしたいだろう、と思いました*5ので、消費者庁に情報提供したものです。
 
 その結果、
https://megalodon.jp/2019-0505-1802-35/www.jspkk.co.jp/product/product.html

http://www.jspkk.co.jp:80/product/product.html
 商品一覧から消え、適切な広告となったようです。
 
 また、商品ページも、
http://web.archive.org/web/20190206030612/http://www.jspkk.co.jp:80/product/product_WATERMAX.html

http://www.jspkk.co.jp:80/product/product_WATERMAX.html
 「220 SMTP-Proxy 」というすっきりとした表示となり、誤解のないページに生まれ変わりました。
 
 情報提供したかいがあったというものです。
 

やればできるぞ消費者庁

 そういうわけで、長野記者。

 消費者庁に聞くと、「実際の当事者がマンション管理組合でも、一般消費者も購入する可能性のある商品やサービスなら、優良誤認の適用はできます」と言いました。

 そう。役所も実は動けるのです。謎水さんも消費者庁サイトから報告しました。ですが、1年経ってもまったく手応えはありません。

webronza.asahi.com

 消費者庁も仕事してないわけではないようです。
 ただ一方で、上記の販売ページは、まだ消費者に誤解を与える可能性のある広告になっているのではないか、と思えなくもありません。
 より一層の活躍に期待したいところです。
 

*1:あくまで個人の見解です

*2:あくまで個人の見解です

*3:あくまで個人の見解です

*4:あくまで個人の見解です

*5:あくまで個人の見解です

18歳までに結婚できないと魔女になるラノベ

 
 
 30歳までに童貞だと魔法使いになれる、みたいなネタがありましたが。
 
 そういうラノベがありました。
 セールで買ったのですが、なかなか面白かったのでご紹介。

いきおくれ姫の選択 未婚の魔女にも明日はくる (コバルト文庫)

いきおくれ姫の選択 未婚の魔女にも明日はくる (コバルト文庫)

ここが好き

「今の世の規範どおりに魔力を捨てられる女もいれば、それができない女もいる。そして魔力を捨てられなかった女たちは、運よく捨てることのできた女たちや、魔力と関わりのない男たちに見下され、蔑まれることが当然だと自らを卑下して生きるようになるのです。」
 それがどういうことかわかりますか、と問われたルーカスは、言葉を失ったままラティアを見つめた。静かな威厳をたたえたラティアは答えを期待していなかったのか、再び口をひらく。
「魔女たちは、自らがどんなに見下されようと、理不尽な目に遭おうと、それが当然なのだと受け入れてしまうんです。同じ魔女たちがどれほど嘆き、苦しんでいても、当たり前のものとして怒りや悲しみを鈍らせ、その痛みに慣れようとする」
(略)
「…………それでは、ただの奴隷だ」
 重くのしかかる感情にルーカスはうなだれたまま、低くうめいた。その言葉が、サナティアや目の前のラティアを侮辱するものとわかっていても、止められなかった。 ラティアは表情を変えることもなく、静かにうなずく。
「ええ。私たち魔女は無意識のうちに、自らを奴隷に貶めている」

 これ、女性問題を仮託して読む人が多いと思いますけど、男性だって同じで、「やらみそ」だからといって俯いて生きる必要はないし、自らを貶める必要はないわけです。
 同時に、頭を押さえつけられ続けて顔を上げることができなくなった人たちに「下ばかり見てるからそうなるんだよ」などという言葉は発したくないな、などと思いました。
 
 しっかりフラストレーションからのきっちりカタルシスがあって、なかなか爽快でした。
 もうちょっとこういう作品読みたいな。
 

ここが気になった




 結局、二人が結婚してしまったのは残念でした。 そこは別に友情でいいじゃないか、と思います。
 ルーカスとサナティアが結婚すれば、「魔女だって結婚していいんだ」となる、みたいな話が出てたけど、それって結局は「結婚していないと下に見られる」みたいな価値観を捨て切れていないし、もっと吹っ切れた世界を見たかったなあ、と。

 まあ、ラノベだし、あまり深く考えない方がいいのだろうな、とは思うけど……
 
 
 

蛇足

 なろう系は「願望充足の道具」みたいな批評を受けることがありますが、女性向けのラノベって「ガラスの天井」を突き破るような話が時々あって、なかなか興味深いですよ。
 この前、男性向けのレーベルで、女性が「ガラスの天井」を破ろうとするラノベが出てて、なかなか新鮮でした。*1
 これ、どの方面にウケるのかな……?

 
 

*1:面白かった、とは言わない

GIGAZINEの借地の件は、誰が得をするのか?

gigazine.net
www.power1.co.jp
 
 これの件。
 casmさんが詳しい解説を書かれているので、ご参照いただくといいかと思います。
anond.hatelabo.jp
 
 で。
 既に地主は第三者と売買契約をしている様子ですが、不動産屋的には、これ、表に出ている地主側業者じゃなくて、買主は今ごろ何を考えているのかな、と思うわけです。
 以下、不十分な情報による憶測です。おそらく実際には違う事情があるのだと思います。

 なお、私は、宅地建物取引士とその上位資格の不動産コンサルティングマスター*1を持っていますが、法曹の資格を持っていないので、そのつもりで読んでください。

前提

 仮に、地主の主張が全て正しく

  • 10年以上前に借地を合意解約しており、書面もある。
  • 10年間以上、地代を受け取っていない。

 とします。
 

普通に建物収去土地引渡命令が出るはず

 書面が有効であれば合意解約されていることになり、借地権が存在しないです。
 書面が無効であっても、10年以上地代を払わないなら、相当の期間を示して催告をした上で解除できるはずです。
 建物にも誰も住んでいませんし、裁判をすれば普通に建物収去土地引渡命令が出て、強制執行で取り壊しができるでしょう。
 なぜやらないのかな?
 

自力救済をすると、建物収去土地引渡命令が出なくなるかも

 そういった状態ですが、現状のように勝手に壊してしまうことをすると、建物収去土地引渡命令が出なくなるかもしれません。
 ちゃんと法的手続きを取れば(費用と期間はかかりますが)土地が戻ってくるのですから、これは地主にとって無用のリスクであるように思います。
 

移転登記は難しい

 では、借地の合意解約があるのだから、それを登記原因として建物の所有権移転登記ができるかというと、それは難しいでしょう。
 まず、10年以上前の解約合意書を建物所有権移転の登記原因情報にできるか、というと厳しい。
 そして、登記義務者GIGAZINE側にあるので、山崎恵人氏の承諾と実印が必要になります。これが絶望的でしょう。
 

「職権による滅失」ができれば、第三者への対抗要件を失わせることができる

 詳細はcasmさんの記事を読んでいただければいいかと思いますが、建物登記を滅失してしまえば、地主から土地を買った新たな所有者に借地権を主張できなくなります。
 これは、買主にとって大きなメリットでしょう。
 

三者への対抗要件は、第三者への対抗要件である

 ただ、あくまで第三者への対抗要件は第三者への対抗要件です。当事者間においては借地権を主張することができます
 なので、勝手に壊して「職権による滅失」をしても、地主はあまり恩恵を受けないのです。
 

売主ではなく、買主にとっていいことしかない

 今回の一連の行動は、やっかいな借地関係から買主を隔離し「売買はもう終わってるので面倒ごとはそっちで解決してくださいね」と売主に丸投げしているように見えます。
 これが地主単独で動いているなら、「ああ、地主さん素人判断で下手打ったね」で終わるのですが、借地に詳しそうな不動産屋が動いているということは……ねえ?
 
 
 

追記

あの土地を父が地主の彼女から買っていたということである。その証拠も出てきた。

keisui.com

 おお。
 本当にそうなら、買主が「地主を焚きつけて建物を取壊させた、つもりが、実は地主に二重売買に当て込まれていた」みたいなシナリオが読めなくもないですね。
 いやあ、これだから不動産って楽しいですよねえ。
 
 
 

*1:問題は難しいけど、正解率6割ぐらいで受かるので合格率5割ぐらい。つーか、名前が怪しすぎるよね……

「過激すぎる表紙のラノベを置く場所を考えろ」は快不快の問題ではないどころか、エロの問題でさえない。

 
 
 
 前回の記事とも関連しますが、

 あの表紙が「女性を性的に消費する」ものだからこそ問題になっているのです。
 
(略)
 
 例えば、今回の問題であれば、過度に性的な意味づけをもって強調された表現は、女性をその人格ではなく男性の性欲を慰撫するものとしてしか認識せず、かつ本来女性は男性を慰撫するために存在するわけでもないのに、そうならない女性に価値がないと宣言するものです。(略)自分が人格ではなく物体として認識されていることをここまで明け透けに宣誓されれば、誰だって脅威を覚えるでしょう。

blog.livedoor.jp

↑この件について書きます。
 
 まず、大前提として『「女性を性的に消費する」こと自体は、悪いことではない』です。
 もし、これが悪いことであるならば、それはすなわち「女性には自ら性的に消費される自由がない」ことを意味します。
 女性自身が所有する性的価値を、自らの意思で利用することを禁じられる、ということです。わかりやすい例で言えば、女性から売春する自由を取り上げる、ことにつながります。
 自由がない、ということは、自分ではない何者かに管理される、ということです。
 たとえば、伝統的な社会では、未婚のうちは親に、結婚した後は夫によって管理されます。また、法律という形で国家が、公序良俗という形で社会が管理します。女性は、親・夫・国家・社会が許す範囲でのみ自らの性的価値を利用することができるのです。
 
「売春の自由など制限されるのが当たり前だろう」と言われるかもしれません。しかし、「性的に消費される自由」とはそのようなわかりやすいケースだけに表れるものではありません。
 かつての日本では膝を見せることははしたないことでした。逆に言えば、女性が膝を見せて「性的価値を利用する」ことについて、抑圧があった、ということです。
 
 もうお分かりかと思いますが。
 ラノベの表紙がエロくなく、たとえば「黒髪ロングの貞淑そうな女性」ばかりだった場合、これはこれで「女性をその人格ではなく」貞淑さをもって評価する、という抑圧的なメッセージになります。*1
 巨乳という記号が、貞淑という記号に差し替わっただけのことです。
 エロくても、貞淑でも、性的に消費。
 つまり、快不快の問題ではないどころか、エロの問題でさえないのです。
 女性が自由に自身を利用することに対してどのような抑圧があるか、という問題になります。
 
 ここで、女性は抑圧を受けてきた歴史的背景があります。そして現在でも女性差別などの抑圧を受けています。
 そういった理由により、女性は社会的抑圧に弱いと考えられます。また抑圧的なメッセージが飽和することによって、実際に女性差別が強まるかもしれません。弱者に対する配慮として、一般の書店売りされているラノベの表紙についてある一定の規制や自制をすべき、という考え方には一定の理があると思います。ヘイトスピーチと同じ理屈ですね。
 うかつなことを言うとフェミニストの方々に怒られてしまいますので、具体的な評価は避けますが、いずれにせよ、女性に対する抑圧という観点からは、「キモいから」「過激だから」などというふざけた理由で制限してはいけないのです。
 
 リバタリアンならば、「そのような抑圧があると考え対処することに利益がある者が、なんらかの対処すればよい。それが多数派ならば公の場からは消えるはずだ」と言うのかもしれません。
 リベラリストは、「表現の自由を制限しすぎるのは望ましくないので慎重であるべきだが、弱者保護のためにやむをえない範囲での制限は必要」と言うでしょう。
 コミュニタリアンは、「一般の書店の目につく場所にそのような表現があることについて、社会的合意があるとは言えない」とか言うんでしょうか、よくわかりません。
 保守には、「そのようなみだらな表現は公序良俗に反すると考えられてきた。これからもそうあるべき」と言ってほしいのですが、そうでもなさそうです。
 
 みなさんはどうですか?
 
 
 

*1:そんなことねーよ、と言う人は、数年前の人工知能学会の表紙問題を思い出してください

「表紙じゃなくてお前らがキモいんだよわかれよ」

togetter.com
↑これについて。
id:ohnosakiko さんがこのようなツイートをしていたので、


↓このように反応してみました。


 
 で、書き足りないのでブログで書き足します。
 
 まず、ツイートにも書いたことですが、「お前らキモいわ」というのは憎悪表現であって、差別につながるものである、ということ。
 当然、「オタクコミュニティがキモい」というのも十分に憎悪表現である、と言えます。
 現実として「オタクキモい」は許容される傾向にあります。しかし一方、「ホモセクシャルキモい」などという表現は、私的な場ではまだまだ見られると思いますが、公の場でははばかられる状況です。
 同じ憎悪表現なのに、どこに差異があるのでしょうか。
 
 これには、ホモセクシャルが実際に差別されてきたという歴史背景があると思います。実際に差別がある状況で、その対象について憎悪表現をすることは差別を煽りやすい、ということかと思います。
 もちろん、オタクコミュニティも全く差別されてこなかったわけではないのですが、現状として憎悪表現が差別につながる度合いを比較すると、オタクとホモセクシャルとでは差があると感じる人は多いかと思います。
 ツイートにも「牛や豚は食っても絶滅しないが、鯨を好き放題食ったら絶滅するだろ」と書いたとおりかと思います。「お前の受けてる差別なんて他と比べたら大したことないよ」みたいなことを言うのは気が引けるのですが、「オタクは叩いてもたぶん死なないが、ホモセクシャルは叩くと死ぬかもしれない」ということですね。
 
 一方で、ラノベのエロ表紙問題については別の側面もあり、エロ表現を公の場でするのは女性に対する抑圧になる、というものです。
 この論が正しいかどうかの評価は避けますが、仮に正しいとした場合、エロ表紙を批判することによって女性差別が緩和される、ということもありえるのかもしれません。
ラノベの表紙がキモい」=「ラノベ読者コミュニティはキモい」と表現すると女性差別が減る、という筋立てですね。
 この論が正しいかどうかの評価は避けますが、仮に正しいとした場合、

  1. オタクコミュニティに憎悪表現を向けることにより煽られた差別
  2. それにより減る女性差別

 をトレードしても、社会的には(または個人的に)プラスになる、という判断がありえるかもしれません。
 言うまでもなく、これはそれぞれのコミュニティに対する評価によって判断が分かれるところです。件のシュナムル氏は後者を大きく評価する人であった、ということが言えると思います。
 
 ところで、また別の視点もあるかと思います。
 それは、効用最大化です。
 先ほどの例のとおり、オタクに憎悪表現を向けることによって女性差別が減り社会的にプラスになるとして、しかし、それが最善なのか、ということです。
 キモいと叩いてオタク憎悪を煽らなくても、女性に対する差別を減らす別の表現があるのであれば、そちらを用いた方がいいに決まっています。
「わかるけど、それ、キモいって言う必要あったの?」という批判が、特に叩かれている側からあるのは当然かと思います。
 
 ただ、これは反差別の方々からは「トーンポリシング」として批判されているやり方です。
note.mu
yuhka-uno.hatenablog.com
「実際に差別を受けている人たちに、社会に対する効用・効率を求めるのは酷」という主張は説得力のあるものです。状況に応じて、分断を避けるために注意が必要でしょう。
 
 
 
 そういうわけで、「表紙じゃなくてお前らがキモいんだよわかれよ」という言説に対し、これは危ういなあ、と思うわけです。
 たぶん、id:ohnosakiko さんは憎悪表現ではなく時代感覚の問題として「キモい」を用い、なおかつ憎悪表現ととられかねないこともわかっててツイートしたのだと思います。
 ただ、リツイートした人たちは、どうかな。