不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

ソニー不動産さんが「両手禁止はじめました」とおっしゃってるんですが。

 

両手取引は日本の業界では一般的だが、利益相反の恐れがあるため米国では多くの州で禁止されている。同社は「必ず売り手か買い手のどちらかに寄り添う」(西山氏)という手法を採用。

ソニー不動産「両手取引」排した営業奏功 顧客獲得率は大手の3倍 (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

広告記事にマジレスすんのも何なんですが、ソニー不動産さんの手法を「両手禁止」って言っていいならほとんどの会社で「両手禁止」が実現できますね。

不動産先進国といわれている米国などでは、片手取引が標準的です。これは、裁判などで原告・被告のそれぞれを異なる弁護士が代理することと同様の考え方によるものです。
ソニー不動産では、米国型のエージェント制にならい、売却専門のエージェントと購入専門のエージェントに組織を分けています。
(中略)
ソニー不動産では、買主様がソニー不動産の他のお客様(売主様)の物件の購入を希望された場合にのみ「両手取引」を行うこととし、必ず事前に買主様・売主様にその内容をご説明の上、双方から同意を取得します。

購入エージェントとは | 不動産購入ならソニー不動産

たとえば、ある弁護士事務所が原告専門弁護士と被告専門弁護士に分けて両方から代理を取ってたら、そりゃ法的には双方代理にならないのかもしれませんが倫理的にどうなのって話になるじゃないですか。
従業員2人、旦那さんが社長で奥さんが専務の地域密着でおなじみA不動産が「わが社は、売主を社長が担当し買主を専務が担当しますので、エージェントが必ず顧客に寄り添う形になります」とか言ったら、もうそりゃ笑うしかないでしょ?
「両手取引」をする時に同意を取得するのはいいことだと思いますけど、じゃあ、顧客が拒否したら別の不動産屋をバイヤーズエージェントとして紹介するんでしょうか? もし「ご同意できないのであればこの物件の購入は諦めてください」と言ってるんであれば半ば強制してるようなものですから、「両手禁止」もへったくれもないですよね。
 
 
 
でも、まあ、なんだかんだソニー不動産には業界の習慣を壊してくれることを期待してます。社長さんが全然不動産屋っぽくないですもんね。

西山和良曰く、AIT5をやるためには、ドライブとテープとヘッドの事業統合が必要だ、とのことでした.ひら的にも我が意を得たりでしたが、難しいのも事実.事業統合が必要なのはわかっているけど出来ないのが我が儘ソニーの悪しき文化でしたから.ところが、坂本龍馬のような活躍で事業統合をまとめてしまったのが当時若干35歳かそこらの西山和良でした.

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