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不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

Nomad. はわしが育てた

不動産

 
前回のエントリにお返事をいただきました。

先日の仲介手数料0円の不動産屋が儲かる本当の理由 - Nomad.が起こすinnovationの後に、いろいろなご意見等をいただきました。皆さま、ありがとうございました。
また、ブログ等にお書き頂いた方もいらっしゃいましたので、認識違いの部分を少々ご説明できたらと思います。

不動産も古い常識にとらわれるのやめましょうよ。 - Nomad.が起こすinnovation

 
なかなか面白いテーマを扱ってらっしゃったので、改めてエントリを起こそうと思います。
 

その前に訂正を

と、その前に訂正をしておきます。

掲載されている物件は、仲介業者にとってお客様に直接紹介できない物件ばかりです。不動産会社側が一般のポータルサイトでお客様の物件を探すことなんてほぼありえません。したがって、どこの情報もクロールなどしてません。

不動産も古い常識にとらわれるのやめましょうよ。 - Nomad.が起こすinnovation

とのことだそうです。ご紹介されてる物件すべてについて物件確認と掲載許可を取っているとのこと、数万人のユーザーがいらっしゃるわけですから、大量の物件確認をする必要がありさぞかし大変でしょう。頭が下がります。
 
また、ブコメ

ははは、またまた。御社のサービス( http://mollio.jp/ )を利用させていただきましたが、送られてきた物件の写真、SUUMOで他社が掲載してるものと同じでしたよ? どちらかがパクってるんですよね?

はてなブックマーク - 日本人は"新しいモノ好き"なフリしてるだけ?不動産も古い常識にとらわれるのやめましょうよ。 - Nomad.が起こすinnovation

と指摘をさせていただきましたところ、


とのことです。「SUUMO入稿分析システム」の会社間流通で確認させていただきましたが確かにありました、根拠のないことを申し上げてしまい大変失礼をいたしました。コピー不可でしたので元付業者に別に掲載許可を取られているのだと思います。お互いに、物件情報を集めるのは大変ですよね。
 
 
 
さて本題です。
お返事の前半部分で、他のブログに対する反論をされています。その部分がとても興味深かったのです。
 

エージェンシー・スラック

「エージェンシー・スラック」という言葉がありまして。

エージェンシー・スラック(agency slack)とは、エージェントが、プリンシパルの利益のために委任されているにもかかわらず、プリンシパルの利益に反してエージェント自身の利益を優先した行動をとってしまうこと。

プリンシパル=エージェント理論 - Wikipedia

 
反論を受けてたブログでおっしゃってたこともこの「エージェンシー・スラック」だと思います。

この上記の不動産屋さんの料金モデルだと、ユーザが良い物件を見つけずに長く契約してくれている状態のほうが儲かるわけですよね。システムを改善したり、なんらかの追加機能を開発したりする際に、どうしてもユーザが長期間契約してくれるような方向に持って行こうとする力が働くと思うんです。

利益の方向を一致させるということ - 体重が70kg切るまで更新し続ける日記

つまり、

  • ユーザーは、物件を見つけるまでの時間が短い方がよい
  • Nomad. は、物件を見つけるまでの時間が長い方がよい

と、利益が対立する、ということを指摘されています。
 
では、既存の仲介手数料モデルだとどうでしょう? 不動産屋は契約をしてもらうまで1円にもなりませんし、長くお客様をフォローするにはコストもかかります。当然、早く契約してくれた方がいいです。つまり、

  • ユーザーは、物件を見つけるまでの時間が短い方がよい
  • Nomad. は、物件を見つけるまでの時間が長い方がよい
  • 仲介手数料モデルは、物件を見つけるまでの時間が短い方がよい

となり、Nomad. の方に「エージェンシー・スラック」が発生するように見えます。ここまではid:mikio-kさんのおっしゃる通りです。しかし、見逃している*1こともあります。
 
別の視点から見てみましょう。ユーザーは早く契約できれば物件は何でもいいわけではありません。「よい物件」を契約したいと思っています。一方で Nomad. と仲介手数料モデルはそんなことはどうでもいいです。ユーザーが「ダメな物件」を契約しようと「よい物件」を契約しようと、入ってくるお金は変わりません。つまり、

  • ユーザーは、「よい物件」が見つかる方がよい
  • Nomad. は、「よい物件」が見つからなくてもよい
  • 仲介手数料モデルは、「よい物件」が見つからなくてもよい

となります。そして、先ほどの項目とまとめるとこうなります。

  • ユーザーは、「よい物件」が見つけるまでの時間が短い方がよいので、「よい物件」をよいと、「ダメな物件」をダメと教えてほしい。
  • Nomad. は、物件を見つけるまでの時間が長い方がよいので、「よい物件」をダメと偽った方がよい。
  • 仲介手数料モデルは、物件を見つけるまでの時間が短い方がよいので、「ダメな物件」をよいと偽った方がよい。

つまりまあ、どっちも嘘をつかれるのには変わりがないので好きな方を選んだほうがいい、ということですよ*2
 
なんかゲシュタルト崩壊起こしてきましたので適当にまとめます。「エージェンシー・スラック」の観点からだけ見ると以下のことが言えます。

  • 押しに弱い人・営業されるのが嫌な人は Nomad. を使おう。
  • 決断ができない人は 仲介手数料モデルがいい。

 
 
 

サービス課金モデルの欠点

余談ですが、Nomad. のようなサービス課金モデルは一見コストを低減できそうに見えます。しかし、このモデルが一般化すると欠点も見えてくると思います。
それは「囲い込まれる」ということです。一般的に部屋探しをする場合は不動産屋を何社か当たるかと思いますが、同じことをしようとすると数社にサービス利用料を支払う必要がありますね。
 
 
 

最後に

ところで、せっかく対話ができたので、id:nomad_nomadさんにちょっと質問していいでしょうか?
Nomad. では、ユーザーが望めば何度でも内覧させていただけますか? それとも1回だけですか? 何度も案内すると結構赤字じゃありません?
 
 
 

あ、忘れてた。タイトルは釣りです。

ごめんなさい、釣りでした。
でもですねえ、Nomad. をはてなで最初に発見したのは、何を隠そう私なんです。
http://b.hatena.ne.jp/entry/nomad-a.jp/
これでもそれなりに期待してウォッチしてたんで、ステマとかやめて改心して頑張ってほしいと思ってます。上手くいきそうだったら弊社でパクるつもりです*3。役員にも「東京ではこういうサービスも出てるんですよー」的な話もしてますし。
あとそれから、今の会社クビになったら雇ってください。
以上もろもろ、よろしくお願い致します。
 
 
 

*1:あえて言及してないだけかもしれませんが

*2:いやあの、本当に不動産屋が嘘をつくって話じゃないですよ? 欠点をおおげさに表現したり、逆にさほど大したことがないように表現したり、とかそういうインセンティブが働いてしまうということです。

*3:その前にビジネスモデル特許取ってくださいね