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不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

id:Gelsyさん提唱の建物評価制度のチート探ししてみた

 
 Gelsyさんが面白いことを書いてました。
 

建物って、なんで「築○年」みたいな言い方いつまでも続けてんだろ。ぼくたちが知りたいのは、あと何年住めるかなんだ。あと何十年、何百年住める家は、きっときれいで良い家なはず。
じゃあ、あと何年住めるか、ってのはどうしたらわかるの?
(中略)
ここはもっとストレートにいこう。オーナーに直接、「何年後に壊すつもりなの?」って聞いちゃおう。

ぼくたちが知りたいのは、築○年じゃないんだ - concretism

 つまり、「あと何年たったら壊します」宣言をさせ、正しい宣言をすることに税制などでインセンティブを与えよう、というもの。
 とても面白いと思います。何より買う時に「残10年」とか物件資料に書いてあるわけで、とてもラクです。
 
 ところで、これちょっと、ナポレオンみたいなベットありトリックテイキングゲームを思い出させますね。
「税制の話にゲームなんて不謹慎だ」とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、経済とは市場に参加するものがそれぞれ最高点を得ようと行動するゲームである、と考えると適切な税制を考える時にチート技とか壊れ性能アイテムとかそういうのが発生しないようにするのは大切です。
 そういうわけで、この制度のチート技を探してみました。Gelsyさんが書いてないことも脳内補完したりしてますので、まあネタだと思ってゆるく読んでください。
 

住宅ローン(銀行借り入れ)でのチート

 寿命を長くすると評価額が上がります。となると、銀行からお金を借りる時の担保価値が上がることになります。
 たとえば、本来「残50年」の建物を「残100年」と宣言してしまえば、借り入れの額や期間が増やせるはず。自己資金がないマイホーム購入者や不動産投資初心者にはありがたい話です。
 
 しかし、偽って残存期間を延ばすと、固定資産税が高くなります。また、売却する時に買主が期間を縮めるために売りにくい。収益や出口を考えなくちゃいけない不動産投資には向いていない手段でしょう。
 

購入時のチート

売ったら、次のオーナーが新たにその建物の寿命を設定し直す。その年数が前のオーナーと同じならいいが、違う時には短く設定したほうにペナルティ、長く設定した方にボーナスかな。

ぼくたちが知りたいのは、築○年じゃないんだ - concretism

 ということなので、建物を買った時にとにかく残存期間を延ばして宣言すると、実質的にお安く買えることになります。
 もちろん、残存期間を延ばすと前掲のようなデメリットがありますが、そのボーナス分を使ってローンを繰上返済すると金利分である程度元が取れるかもしれないですし、ある程度先ほどの住宅ローンチートと合わせて「残存期間を80年に宣言すれば買える」という魅力に抵抗できない人もいるかも。
 
 まあ、この辺はチートというより、なんか愚行権の問題って感じもしますね。
 

銀行のチート

 住宅ローンを貸す銀行は、借り入れをする人に建物の残存期間を短く設定させるインセンティブが働くはずです。
 不良債権防止にもなりますし、ローン事故が起こって担保物件を得た時に本来の残存期間に戻せばボーナスを得られる上に資産価値も元通り、といいことずくめ。残存期間を過少宣言したリスクは借り入れた人が負うことになるのでデメリットもなし。
 
 ……おや? 前々項と言ってる事が矛盾するなあ? ここら辺は何か問題ありそうです。
 

転売のチート

 AからBが期間を長くして買い、BからAが期間を短くして買い戻すと、資産の付け替えができます。これには何か対策しないといろいろな抜け道になりそう。通謀虚偽表示もどきとか。
 

相続税対策のチート

 土地持ちが「残1年」の新築アパートを建てると、おそらく死んだ時にその分相続税無税。借り入れを起こせば土地分も相殺して無税でしょう。
 寿命切れのペナルティもさすがに賃料収入を上回る金額にならないのではないかと思うので、利回りのある金融資産を相続税回避して残せるような気がします。
 のちのち残存期間再設定をしてペナルティを受け入れることもできるのですから*1相続税の支払時期にオプションが付くようなものではないでしょうか?

*1:脳内補完。できなくても0円転売すれば問題なし