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不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

社員教育とペイフォワードと群淘汰

 
 ↓のエントリを読んで。
 

で、それ以降は、時々穴はあるけど、俺に対する口の利き方と客に対する口の利き方、態度はかなり向上はしてきた。基本的に、穴がある時点で俺が指摘つーかけっこう厳しく注意してきたし。同僚に対する口の利き方もだいぶマシになった。

http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20081215/1229322617

 

id:muffdivingにマジで聞きたいんだが、ここまでしてやって銭になった? 面倒見てやったことに対して見返りあった? たぶん、答えはNOだと思うけど、そして想定内だったと思うけど、何をモチベーションに教育したの?

はてなブックマーク - 金取れねーうちは、敬語使ったほうがお得 - NC-15

 ↑とブクマを付けたところ、応答いただきました。
 

何か最初から喧嘩腰なんだが、一応答える。はっきりいって、銭云々の問題というより「やらなきゃあかんことだからやった」ただそれだけっすね。

 喧嘩腰のつもりは全くなかったんです。ブコメは文字数制限があるのでどうしても言葉が足らず無礼な書き方になってしまうんですが、まあ文化みたいなモノだと思ってちょっと甘えてましたね。申し訳ありませんでした、以後気をつけます。
 何故、こういうことを聞いたかというと。私はこの業界に入った時すげー苦しんだんですが、ある先輩にお世話になって*1どうにか生き残れたんですね。その人がいなければ、現在不動産業界にいなかったでしょう。
 で、私はその先輩に「何でこんなに面倒見てくれるんですか、俺、返せるか分からないですよ?」と聞いたんです。その答えが「俺も、俺の先輩に世話になったから、お前の面倒を見るんだ。損得の問題じゃねえよ。たとえ裏切られても面倒見てやるしかねえんだ」というものでした。だから、muffdivingさんがどういう考えで後輩の面倒を見ていたのか、すごい興味があったんです。

見返り云々というより、俺が先達からそうやってもらって育てられたんで、その恩義を返すのは当然のことかと。犬だって与えられた恩は忘れないわけで。

 期待通りに、そして期待外れなことに、全く同じ答えでした。
 

ペイフォワードはフリーライダーに弱い

 そのような考え方は、個人的に大好きです。誰かに助けてもらったらその人に返す、その人に返せなかったら別の人に返す。ペイフォワード的な考え方ですよね。muffdivingさんなら、そう答えるかと期待していたので、その意味では期待通りの答えでした。
 しかし、こういうペイフォワードは、言うまでもなく自分のところで停めるのが一番利得が高いです。特に営業なんかだと、うまく育ててしまうと自分の強烈なライバルになる可能性があるわけで、自分の雑務を処理してくれてほどほどの成績を上げてくれる部下が一番ありがたかったりするという現実があって、というかむしろ新人を使い捨てにする方が*2どっちかっていうと効率がいいんじゃないか、みたいな世界なわけです。
 つまり、ペイフォワードはフリーライダーに弱い。
 

組織に群淘汰は起こらない

「そうは言っても、社員が手前勝手にやってたら、その会社は潰れて社員は生き残れないわけで。結局、組織に尽くす社員がいる会社が生き残るんじゃないの」という考えもあるかもしれません。
 しかし、素朴な群淘汰が否定されたように、やはり長期的にはフリーライダーに弱いのではないでしょうか。しかも、社員は「従兄弟8人のためなら死ねる」のような遺伝子の縛りがありませんから、見た目の群淘汰も起こりえない、ということになります。
 
 だから組織論として、社員教育をペイフォワードに任せておくと、組織は長生きできない。

モチベーションというより「義務」だと思ってますけどね。少なくとも組織で仕事して、組織の恩恵受けてる場合には。

 もちろん、全ての従業員がそのように考えてそのように実行しててくれれば全く問題ないですが、S急便さんのような大組織でそのような意思統一が図れるかというと、非常に疑問です。だから、教育に対してなにかしらのインセンティブが働いていてうまく回っているのか、ちょっと期待したんです。そういう意味で期待外れの答えでした。
 

「人を育てたい」は人間の本能か

 ただ、muffdivingさんが面白いことを言ってて

損得勘定って、直接的な銭だけじゃないっす。
(略)
それに、人育てるのって面白い。
銭になるかどうかというより、面白いかどうか、やるべきかやらなくてもいいかで動いてるところは大きいっすね、俺。

 ひょっとして、人間に「人を育てるのが楽しい」って欲求が本能的にあるなら、教育に対して金銭的インセンティブがなくても世の中うまく回る理屈がありえるわけです。また、これが本能的な欲求ではなくて文化依存的なものなら、「人を育てるのが楽しい」文化がそうではない文化を淘汰しそうです。そうしてみると、会社であろうと国であろうと、「気風」って意外と大事かも。いや、それは当たり前か。

*1:時には数字をつけてもらって

*2:会社には負担がかかるものの