不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

ストリートビューはただの加速装置

 
 ストリートビューについて、いろんなエントリが上がっているので、便乗してみます。
 結論としては、「ストリートビュー」はオッケー、というスタンスで。なるべく短めに。
 

WEBは加速装置

 ブログが誕生して、炎上や罵りあいなど、好ましくない問題が発生しました。一方で興味深い議論や対話も生まれました。この時、WEBはどんな役割を果たしたのでしょうか。WEBがなければこのようなことは起こらなかったのでしょうか。
 私は、ある意味ではそうではないと考えます。
 ブログ上で起こった対話は、いずれ起こった対話であろう、と考えます。WEBが果たした役割とは、そのコストを圧倒的に短縮した、ことに尽きると考えています。問題があるように見えるのは、旧来ならコストが障壁となり起こりえなかったような対話が実現している、ことがあるからだと思います。
 つまり、WEBは対話を加速する効果があっただろうと思います。
 

加速された事例

 例えば、不動産登記簿には抵当権の金額が記載されています。これは公開されています。その不動産の管轄法務局に行って印紙代1,000円を支払えば、誰でも閲覧できます。ただ、遠隔地の物件についてはその法務局まで行かなければならない為、不便です。
 というのは、実は3年ぐらい前までの話。
 現在はインターネット上で取得できます。しかも480円と安価です。おかげで比較的簡単に誰かの不動産の情報を得る事が出来るようになりました。
「480円は高いよ」という方もいるでしょうが、このサービス、始まった時は980円でした。わずか数年で半額です。googleのように無料とは行かないでしょうが、今後もコストダウンする可能性もあるかもしれません。
 

ストリートビューは加速装置

 WEBが「WEBなしでもできることを加速するモノ」であるするならば、ストリートビューもまさにそれでしょう。
 ストリートビューがなくても、実地に行けば見れるものばかりです。しかし、遠隔地についてはコストが高くつきます。ストリートビューはそのコストを削減した、良きにも悪しきにもその一点に尽きます。
 

文化で技術を忌避する

「日本の文化には合わない」という意見には心から賛同します。まったくそのとおりかと思います。
 法改正などで日本でのストリートビューを規制することも可能でしょう。しかしながら、文化で技術を忌避するとどうなるでしょうか。
 比較的身近な例で、日本の「鎖国」があります。鎖国前の日本の鉄砲は技術的にも量的にも世界でもまずまずのレベルにあったようなのですが、鎖国中にそのレベルは停滞したようです。技術の忌避は、日本に再び「黒船来航」をもたらすかもしれません。
 ストリートビューがそのような致命的な技術であるようには思えませんが、法的規制を入れると関連して禁止されてしまうであろう技術の損失を考えてしまいます。
 前記のとおり、WEB技術は加速装置に過ぎません。良いことであれ悪いことであれ、加速するのみです。
 WEB技術を制限すれば、ディストピアへの道程を遅らせる事ができるでしょう、同時に受けられる恩恵も少なくなるでしょう。
 
 
 
 以下余談。
 

不動産屋としての感想

 正直、日本に来る事を心待ちにしていた機能。
 周辺環境がひと目でわかるというのは素晴らしい。物件の場所を公開する決断さえできれば、物件紹介ページをお手軽に強化できる。
 とりあえず、自社HPに組み込んでみたいので、早く茨城まで来てくれないかな。
 

なんとなくの予想

 自分に不利な画像が上がっていなければ、利得の方が大きい。プライベート侵害のリスクも、現実として直面しない限り低く見積もりがちだろうから、このまま受け入れられる方に100カノッサ