ランナウェイプロセスとは、進化論の理論の1つで、例えば、オナガドリの尾が何故長いかとかを説明できるもののようです。
一途さや純粋さやひたむきさは、処女に特化される属性ではない。少年でもおじさんでも大人の女性でも、そうした属性は持ちうるはずだ。なのに、一途、純粋、ひたむきと言えばいいところを、わざわざ「処女性」と言わねばならないのはなぜか。多くのアニメで、一途さや純粋さやひたむきさが「処女」だけの属性として描かれているから、だけではないだろう。性的に無知という属性が「処女性」の中心にあり、それを男性が求めているからだろう。
女はそこにはいない。女はどこにもいない。 - Ohnoblog 2
アニメでの「処女性」信仰は、そのランナウェイプロセスと似たようなプロセスで説明できるのでは、ということを述べます。
さて、ランナウェイプロセスとはどんなものか
オナガドリで簡単に説明しますと*1、
- 尾が長いオスが少しだけモテるので、遺伝子戦略上有利
- つまり、メスは尾が長いオスの子供を生んだ方が、遺伝子戦略上有利
- だからメスは尾が長いオスと繁殖した方が有利
- ということは、尾が長いオスを好むメスの方が、そうではないメスよりも、遺伝子戦略上有利
- だから、尾が長いオスを好むメスが増える
- であるならば、尾が長いオスがモテるので、繁殖しやすく有利(最初に戻る)
と、正のフィードバックがかかって、オスの尾がどんどん長くなり、メスはより長い尾を好むようになっていくものです。
もちろん、尾の長さには途中からブレーキがかかります。あまりに長くなりすぎると、捕食されやすくなったり散髪代が馬鹿にならなかったりと、繁殖適応性を上回る不利益があるからです。
そういえば、人間の知性の発達をランナウェイプロセスで説明していた人も確かいたような記憶があります*2
さて。
もともと、「処女性」があるヒロインが登場するアニメがヒットする傾向があれば、同じような効果が働きヒロインの「処女性」高めていくことはあるかもしれません。
しかし、オナガドリが地球を1周するような尾を獲得しなかったように、ヒロインの「処女性」にもブレーキがかかります。それは「処女性」を担保する属性の追求に伴って、ヒロインが低年齢化したことによります。
例を挙げると。
ダーティペアの大冒険―ダーティペア・シリーズ〈1〉 (ハヤカワ文庫 JA 121)
- 作者: 高千穂遙,安彦良和
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原作のダーティペアは、「ビューティペア」から命名したというエピソードが象徴的ですが、「ビキニねーちゃんとマシンガン」系の女闘趣味が見られる作品でした。しかし、アニメ化されると「ブラッディカードで敵を八つ裂き」とか「隕石を落として死者数万」とかいう物騒なエピソードはなくなり、アクションシーンはあるものの「マッチョねーちゃん」のイメージは失われました。
さらに、後年のダーティペアFLASHになると、ヒロインの年齢が「19歳」から「17歳」に引き下げられました。小説版のあとがきか何かで、高千穂遙が「当時は女子大生ブームだったのでその年齢にしたが、時代に合わせて年齢を下げた」と書いていた記憶があります*3
まあ、そういうわけで低年齢化が進んでいった結果、生殖可能年齢の壁に当たりブレーキがかかった、というのはありそうな感じです*4 そうだとすれば、生殖可能な年齢の若干上がヒロインとして最適になるわけで、まさにその辺の年齢が多いような気がします。
そういうわけで、「何故オタクが処女ヒロインが好きか」の答えは、「それが最適解だったから」でどうでしょう?
ダメですかそうですか。
ところで、オナガドリは他のニワトリと比べるとその尾の長さが「異様」に見えます。ヒロインの「処女性」信仰がランナウェイした結果も、他の人間からすると「異様」に見えるのは必然であるかもしれませんね。
なお、このエントリについて「シャネルズ」「ラッツ&スター」という言葉を使って言及・コメントする事を禁止します。