今日はオタクな話ですので、ついてこれない人は置き去りです。
ゲームブックの話です。
「火吹き山の魔法使い」とか「ソーサリー」シリーズとか「ドラゴン・ファンタジー」シリーズとか。ゲームブックの名作はたくさんあります。
でも、私が知っている中で最もユニークなものは、「シャーロック・ホームズ10の怪事件」です。
何がユニークかって、ゲームブックに必須の「○○へ行け」がないんです。
じゃあ、どうやってゲームを進めるのかというと。
ゲームの中には、「ロンドン住所録」「ロンドン住宅地図」「ロンドンタイムス」が同封されています。
そして、本体にはシナリオごとに「住所に対応するパラグラフ」があるのです。
ですから、事件の依頼がはいるイントロダクションシーンが終わると、後はどのパラグラフを見るのかプレイヤーに任されています。
例えば。
- 事件関係者の名前から「ロンドン住所録」で住所を調べて尋ねる
- 現場付近の家を「ロンドン住宅地図」で見て、聞き込みをする
- 犯人の逃走ルートを予想して、「ロンドン住宅地図」で足取りを予想する
- 「ロンドンタイムス」で古い関連しそうな事件(2,3日前の新聞にさりげなく容疑者の重要情報があったりするんです)を探し、その事件を調べる
本当に、その登場人物との些細なやり取りとか、描写にヒントが隠されているんです。
「○○の家に行った時、××だったから、あそこに通っているのかも。ちょっと聞き込みしてみるか」みたいな。
そして、犯人が分かったと思ったら、回答編を読みます。「何回パラグラフを読んだか」でスコアが決まります。「一度でも10回を下回れば探偵の素質あり......」とか何とか書いてあったはずです。
私には探偵の素質はありませんでした。結構、難解だと思います。オールドゲーマーだけでなく、ミステリ好きとかシャーロキアンも是非どうぞ。
このシリーズは『呪われた館』『死者からの手紙』と続編まで出ていますから全ての事件を解決するには一体何日かかることやら…(シリーズは4までありますが最終巻はボードゲームのようです。残念ながらまだ手に入れていません)
霧のロンドンに潜む犯罪者を炙り出せ!(前編) 名探偵ホームズとの推理合戦 [カードゲーム・ボードゲーム] All About
↑ええ? 続編あったの? やべえ、欲しい!
で、本題なのですが。
これはまさしく Google Maps の衛星写真。バルーンの中に表示されるテキストが小説の一部で、ページを送ることによってストーリーが進んでいきます。"Next ≫"というボタンが表示されたときは「次のポイントに移動しますよ」という意味で、ボタンを押すと主人公が移動した後を辿り(移動した道が青い線となって残ります)、次のピン+バルーンが表示されます(試しに"Chapter 4"をクリックして、最初のバルーンに表示されている"Next"ボタンを押してみると、この仕掛けが楽しめますよ)。
POLAR BEAR BLOG: Google Maps で小説を - The 21 Steps
これ、まさに、「シャーロック・ホームズ10の怪事件」のためにあるシステムじゃないですか。
googlemapAPIの地図は入れ替えが可能だったはずなので、ロンドンの古地図辺りをいれてやれば。
別ウィンドウで住所録とロンドンタイムスを用意すれば。
再現可能ですよね?
それどころか例えば、原作になかったタイムライン制にして、ある時間でないとフラグが立たないとかやれば、もっと難解になるかも!
......あれ? なんか、エロゲとかでありがちなシステムになったな。まあいいか。
そういうわけで誰が面白い作品作ってくれませんかねー。あるいはジェネレータとか作れませんかねー。どうでしょう?
ところで。
こういう形式の小説は、WEBに置いてもハードコピーされにくいので、著作権のコントロールがしやすいのではないかと思いました。
だから、増えてくるんじゃないかな、こういうの。