ちょっと、口が滑ったというか、調子に乗ったというのか。
北畑氏はデイトレーダーについて「経営にまったく関心がない。本当は競輪場か競馬場に行っていた人が、パソコンを使って証券市場に来た。最も堕落した株主の典型だ。バカで浮気で無責任というやつですから、会社の重要な議決権を与える必要はない」と発言。デイトレーダーに適した株式として、配当を優遇する代わりに議決権のない「無議決権株式」を挙げ、上場解禁を唱えた。
http://www.asahi.com/business/update/0207/TKY200802070395.html
米系投資ファンドのスティール・パートナーズを名指ししたうえで、「株主、経営者を脅す」と発言。「バカで強欲で浮気で無責任で脅す人というわけですから、七つの大罪のかなりの部分がある人たちがいる」などと話した。
「競馬場に行っていた人」を「バカで浮気で無責任」と批判しているも同然。農水省立場ありませんね(w
ブクマも興味深い。
はてなブックマーク - asahi.com:経産次官「デイトレーダーはバカで無責任」 講演で発言 - ビジネス
みんなデイトレーダー嫌いなのね。
理由として挙げられているのが、
- 短期所有は悪
- 経営に興味の無い投資は悪
- 働かないで得る銭は悪
心情的には非常に理解できますが、理屈で考えると全部おかしい。
短期所有は悪?
意味が分からない。そもそも短期所有ってどれぐらいのことを指して言うのでしょうか。日にちをまたげば長期所有でしょうか。それとも期間に応じて「悪が浄化」されていくんでしょうか。その係数は誰が決めるんでしょうか、私が決めていいですか?
経営に興味の無い投資は悪?
これまた意味が分からない。ファンドやREITなどの信託系の投資はどうするんです? あれ、全部まとめて悪ですか?
投資判断は、その利回りを元にされます。それが悪だという資格があるのは、今までにキャピタルゲインを一度も得たことの無い人だけです。だって、あなた、その株、天井だと思ったから売ったんでしょう? その会社の経営方針が合わなくなったから売ったわけじゃないんでしょう?
働かないで得る銭は悪?
この感情は非常に理解できます。
しかし、以前にも書きましたが、「労働」という概念は変化していると思います。「投資も労働」だと思うしかないでしょう。
と、いうよりも「労働も投資」と考えるべきでしょう。資本を提供して利回りを得る代わりに、労働を提供して利回りを得ているわけです。だからこその「成果主義」であり「雇用の流動化」なのでしょう。つまり投資市場としての労働市場を整えるために、透明性確保の「成果主義」、流動性確保の「雇用の流動化」なのでしょう。
宗教で経済を動かしてはいけない
そういうわけで、あんまり根拠の無い考え方です。
ある個人が「デイトレ悪」教を信仰するのは自由でしょう。私も、たぶん、その信徒です。
しかしながら、そのような宗教的ドグマを達成しようと政治を動かすのは、経済的見地からは良くないでしょう。政府の人間としては不用意といってよいかと思います。
*1:ネタですからね?