不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

ポイントは債務不履行の中身(という理解でいいのかな?)


ライフラインの供給停止は自力救済にあたらないのはなんでだろう。 - 不動産屋のラノベ読みの続き。
 なるほど。
 強制退去は、賃借人の債務不履行(この場合は明け渡し債務)を実力で履行させる形になるからなんですね。

 たとえばリンゴを売ったとします。売った人が相手に渡す前に、相手がお金を持っていないのを見抜いて渡さないことにした。これは実力の行使ではありません。ですから自力救済にはあたりません。買った人が実力でリンゴを奪いにいったら、むしろこちらが自力救済にあたります。
 
 これに対して、売った人がリンゴを相手に渡してしまった後に、相手がお金を持っていないということに気がついた。それで売った人がリンゴを取り返しにいったら、これは自力救済です。相手がリンゴを食べちゃうのは自力救済ではありません。
 
 さてここで不動産屋が部屋を引渡した後に、相手がお金がないのでこれを取り返したら、これは実力の行使を伴いますから自力救済です。
 
 電力会社が相手がお金がなさそうなのに気がついて電気の供給をしないことにするのは、これは実力の行使を伴いませんから自力救済ではありません。

http://nagablo.seesaa.net/article/77079491.html


 一方で、ライフラインなどの使用停止は債務不履行(この場合は使用料の未払)を実力で履行させてはいないから、自力救済に当たらない、と。
 同じ「使用停止」でも意味が違ってくるんですね。勉強になりました。


 しかし、そうすると、水道使用料などを大家が集めて一括で支払っていて賃料と明確に区別されている場合、水道を止めてしまうのは磁力救済に当たらないことに?
 うまくやれば、鍵交換なみに強力な手段になるなー。
 まあ、でも、入居者に「これは水道料の未払い分です」とお金を差し入れられて、おしまいか。勝手に賃料に充当するのは認められないだろうしなあ。