そのぐらいかなー、と。以下、論拠。
以下、ほんとはPDFのデータですが、めんどくさいので、googleキャッシュのリンク。
【公庫延滞債権・代位弁済の推移】
http://72.14.253.104/search?q=cache:e3ksWWFqUNwJ:www.gyoukaku.go.jp/sanyo/dai33/33siryou1.pdf+%E5%85%AC%E5%BA%AB%E4%BD%8F%E5%AE%85%E8%9E%8D%E8%B3%87%E4%BF%9D%E8%A8%BC%E5%8D%94%E4%BC%9A%E3%80%80%E4%BB%A3%E4%BD%8D%E5%BC%81%E6%B8%88&hl=ja&ct=clnk&cd=1&gl=jp
引用は難しいので、詳しくは直接見て下さい。
平成15年の住宅金融公庫の滞納金額は貸付残高の1.13%、代位弁済*1は19,762件と出ております。心温まる話ですね。
ただ、これで「住宅ローンで失敗率は1%以上」というふうに短絡は出来ないです。あくまで金額ベースの話ですから。残債額と住宅ローン失敗率は比例しそうな気がするので、これよりもだいぶ下の数字になるでしょう。
そんなわけで。
代わりに件数に注目します。
まず、大体平均して借入後5年で代位弁済してると仮定します*2。で、その5年前の住宅金融公庫の貸付件数を、住宅ローンの新規貸出額及び貸出残高の推移:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)のデータを参考にざっくり500,000件とします*3。
代位弁済の件数が年間19,761件ですから、19761割ることの500000で約4%。あれ?
いやいやいや。
いくらなんでも、公庫で住宅ローン借入した人のうち4%が代位弁済とか、あり得ない、実感からかけ離れています。たぶん仮定の段階で間違いがあったんでしょう。そもそも、1年での貸付金額が、たった94,000億円です。延滞発生債権の合計が6872億円もあるんですから、単年の貸付件数と代位弁済件数を比較するのが間違っていたんでしょう。
ですので、平成10年を基準に前後3年、7年間に住宅ローンを借りた人が、平成15年に払い切れなくなったと仮定します。そうすると、公庫貸付件数は3,016,000件、約0.65%の人が代位弁済に至っているわけです。
ふう。
よかったですね、普通の数字が出て。
「10000人のうち、65人が住宅ローン失敗なんて安心して家も買えねーよ」という心配性の人は置いておいて、ひとまず安心です。
でも。
実は、これは代位弁済の数だけなんですよね。
住宅ローン失敗のカタチは、この他にも2つあります。
- 任意売却
- 債務者自殺による、団信での債務解消
この辺は統計の手がかりさえないので、どうしようもないのですが、フィーリングで合計して代位弁済の20%程度、としておきましょうか*4。そうすると、約0.78%。もうこの辺の数字はほんとにあてになりませんから、ざっくり1%弱、と認識するのが良いと思います。
え?
「いい加減な論拠で適当なこと言うな」って?
そりゃまあ、その通りなのですが。
でも、だって誰もやらないんだもん、しょーがないでしょ。
そもそも、国とかでやれば良いんですよ、こういう統計調査を。「住宅ローンを組んだ人の*%が代位弁済、*%が任意売却、*%が自殺」ってリスク開示するべきなんですよ。交通事故死亡者数とか統計公表するでしょう? あれと同じじゃないですか、ファイナンスの事故率を公表しない理由はないですよ。
公庫の代位弁済の件数だって、公庫のサイトからは見れないんですよ*5、一度公表した資料なのに。あれじゃ「行革推進本部に言われて渋々出しました」みたいに思われたって仕方ないでしょ。
そういうわけで。
ちゃんとした数字を誰かが出してくれるまで*6、「住宅ローン失敗して家を取られ借金が残る確率は1%弱」と覚えていてください。家を買うとき、そのリスクを思い出してください。
そして、「友達が買うから」とか「低金利のうちに」とか、どうかそういうバカ丸出しな理由でリスクを背負わないようにして下さい。
きちんとライフプランを立てて、きっと素敵な家を建てて下さい。