不動産屋のラノベ読み

不動産売買営業だけどガチガチの賃貸派の人のブログ

田舎は不便か?

こないだの不動産公示価値みてたんだけどうちが建ってるところを2坪ぐらい売れば地方で30坪つぐらいのかえるのな・・・。

ほんとにそんなに不便なの?

実際野菜もおいしいよ


 そんなに不便じゃないですよ、もちろん。


 なんで、そんなに価格差があるのかと言えば、それはそこから収益が得られるからです。
 例えば、そこ商売始めたとして、敷地の坪当たり年間10万円の収益が得られそうなら、まあ、普通に坪100万円ぐらいは出しますでしょ?
「住宅地は関係ないだろ」と思うかもしれないですけど、住宅地だからといって安く売りに出れば、「そっちで商売を始めた方が儲かる」って事ですから、そっちに商業地が移ってすぐに裁定されちゃいます*1


 そういうわけで、地価が高いというのは「利便性」という価値よりも、事業用途としての需要が高い地価を担保してるだけで、だから、地価が高いところに住まなきゃいけない他の理由がない限り、そういうところに家を建てるのは経済的合理性に欠けたりします。
「地価が担保されているということは、ファイナンス的にそこに住宅を買うことは合理的なんじゃないの?」と思うかもしれませんが、もともと家を建てることをファイナンス的に考える事がナンセンスです。「賃貸と持家、75歳の時点で300万円持家がオトク」とか、バカかおまえって感じです。
 もっと優良な投資先はたくさんありますから、一般に「地価が下がらなさそうな場所に家を建てる」とかは、相当ノーセンスな選択だと私は感じてしまいます*2。住みたいところに、それにあった方法で住むのが一番、あたりまえの話ですけどね。

それと購入が有利だと主張しているのだが、たいてい損益分岐点が70才代になっている。これが僕らには全く魅力的な数字に見えなかった。むしろ賃貸を続けていれば、30代以降に貯金以外に『頭金と金利支払いに使わなかった1000〜2000万程度の資産』があることのほうが魅力的に見える。これだけあれば子供の成長に伴ってお金が必要になる時期に選択肢が広がる(もっとも、いずれ住居に使うお金だから別の用途に使ったら貯め直す必要があるし、インフレリスクを考慮すると全て現金で持っていないとは思う)。定年後、そのお金で自分たちの状況に見合った選択を取ることもできるだろう。

僕と彼女は結婚する: ライフプランを考えるよ

オクサマとは「図書室がほしい」「寝室の脇にシャワールームがほしい」「アイロンとか洗濯ができる広めの家事室がほしいね」と言う話をしていた。

僕らの住みたいと考える家はおそらく賃貸では得られない。注文住宅やデザインの自由が利くマンションであれば実現できるだろうと思っている。ただその理想を実現する上でのリスクを許容できるかは実際のところまだ判断がつかないのだ。


 この方の考えは素晴らしいです。「賃貸と持家では、意外と賃貸がオトクかも」「持家にはリスクがある」という現実を見つめ、しかしそれを分かった上で、自分の求めるライフスタイルの為に家を建てようとしています。
 これこそが家を建てるって事で、どんな生活がしたいのか、そんな将来のライフプランがあるのか、が決まって初めて踏み切れるものなんです。逆に言えば、将来の自分とかどんな生活がしたいとか、その辺のイメージが浮かばない内は賃貸が断然有利なんです。





 あれ? 話がずれた。


 まあ、とにかく「田舎に住んでもオッケー」という人は、田舎に住んだほうが断然お得ですよ、というのが今日言いたかったことです。

*1:でも、一低の土地とかもつられて上昇しちゃうのは理屈にあわんね

*2:将来処分するプランがあるならば話は別ですが、それなら賃貸の方がファイナンス的に優秀