悪徳不動産屋の独り言: おかしな和解で決着していた
http://akutoku.seesaa.net/article/35969696.html
・国籍を理由に賃貸マンションへの入居を拒否されたとして在日韓国人の弁護士康由美さん（４２）が家主と大阪市に慰謝料など計５５０万円の損害賠償を求めた訴訟は１３日、差別を認めて謝罪することなどを条件に大阪地裁（青野洋士裁判長）で家主との和解が成立した。
康さんは「ほぼ全面的な勝訴和解といえる。これをきっかけに入居差別がなくなってほしい」と話している。 和解条項には、家主が康さんに解決金として１００万円を支払うことなども盛り込まれた。
家主は「差別した」のでなく、「区別した」だけである。
誰に貸すか貸さないか、家主側にも「選ぶ権利」は当然にある。
審査は有って当たり前である。職業や国籍でハネられたとしても仕方ないこと、だと私は考える。それがダメなら、申し込みが入ったら如何なる理由でも断れないことになる。どんな理由でも「差別」と言えないこともない。いや、本当は「区別」なのだが・・・。
うちも、特定アジアの人、在日の人は、出来れば相手にしたくない。約束していた「ペットの飼育による損傷」のリフォーム代を踏み倒されて私が弁償したこともあるから。引っ越してしまったら「何処までも追いかける」ということなど出来ないし、相手が「ここまでおいで」と笑っているのが透けて見えていて、今思い出しても悔しい。
このエントリにネガティブブクマがついていました。
予想はしていたことなのでアレなのですが、やはり、ちょっと、うなってしまいました。
poohpapaさんの気持ちは同じ不動産屋として、良く分かるのです。ウチでも、外国人NGの物件はたくさんあります。
そして、仕方が無いことだとも思っています。
実際、外国人に賃借するとコストが上がる確率が高いことは間違いなく*1、オーナーは投資として行っているのですから、当然、リスクが少ない賃借人を選ぶでしょう。
つまり、「日本の不動産賃借人市場」の中で「外国人は負の付加価値」があるのです。これは事実であり、仕方がない。
ところで、以前のエントリで、「差別の構造を『商品価値の差』から再定義できるのか？」ということを書きました。再定義できるのかできないのかは別として、このケースでは『市場価値の差』が入居差別につながっています。
ただ、これを、韓国の人に対する侮蔑につなげてはいけないと思う。それが負の連鎖を生みます。
顔を憎んで鼻を切れば、唇も消える: 逆でしょ
http://yuki19762.seesaa.net/article/36282042.html
差異を当たり前のこととして誰もが受け入れる社会になればいい。全体主義ではなく個の尊重。現代の価値観は既に表向きはそうなっているはず。しかし人はなかなか差異を受け入れようとしない。
残念ながら、現代の価値観は個の尊重に向かっていないのかもしれないのです。
「市場価値が高い」イコール「優れている」という市場万能主義が世界を席巻しているように見えます。
はてな界隈で盛り上がっている、件の売春婦に対する差別問題もそうです。
現代社会では、売春婦は「性の市場価値」が低いです。それは、ひとつの社会のあり方です。まあ、良くもなく悪くもない。
しかし、そこまでにしましょうよ。そこから差別につなげてはいけない。
売春婦は差別されることにより、「性の市場価値」が下がります。で、次は、「性の市場価値」が低いことを理由に、差別されるわけです。なんとも、見事な差別の再生産・負の連鎖。これでは自力で脱出不可能。やりきれない話です。
こんなこと、改めて言う必要はないと強く信じていますが、入居させるとリスクがあるからとか、主婦だからとか、売春婦だからとか、コミュニケーション能力が高いからとか、金を稼げるからとか、仕事が出来るからとか。
そんな市場の都合で人間の価値は定まりません。
我々は、何でも市場原理で行動する完璧な『経済人』ではありません。そこを逸脱していることにこそ、人間の素晴らしさがあると思っています。
で、差別に関するエントリは今回を最後にしようと思うので、こっそり告白。
私は売春婦を差別してると思う。たぶん、自分の子どもとかがフーゾクの女性を嫁に連れてきたら、大いにうろたえると思う。彼女に「テレクラでウリをやってた」とか告白されたら、目も見れないだろう。「ま、フーゾクで本番やってたよりはマシだろう」とか思うと思う。なんだ、そのマシって。生きてる間にこのバイアスは修正できないかもしれない。が、次の世代にはこういうのを引きずって欲しくないと思う。
*1:家賃滞納の上、家財を残置して帰国、とかよくある話
