お二人のエントリを読んでて「これって不動産投資コミュニティに似てる!」と思いましたので、記事にします。
「ブログ飯」批判関連の記事は、だいたい「カモにする人」と「カモにされる人」の2種類のタイプを元に書かれていることが多いです。
でも、私の見るところによると、もうひとつのタイプが見落とされているように思えます。この記事ではそれを示します。
とはいえ、私は「ブログ飯」界隈のことはよく分かりませんので、ここは自分の専門分野である「不動産投資コミュニティ」に引き寄せ、コミュニティの成員を3タイプに分類することによって語りたいと思います。
夢見る人
いわゆる「カモにされる人」の代表格です。
私、不動産投資の営業をやる前は、普通の住宅を取り扱う不動産営業だったんですけど。
そこで、家を売るには「ストーリーが大事」ということを散々教えられてきました。家を買うことによってどのような生活の変化が起きるのか、その夢を描いて見せるのが大事だ、ということです。
新築の家の広い庭で子供が遊び、休日には明るく日が差すリビングでくつろぐワタシ
中古マンションをリノベーションし、友達を呼んでホームパーティを開くワタシ
みたいな?
で、不動産投資の方をやるようになりまして気づいたんですが、こっちの方も同じだな、と。
利回りとかも大切ですが、不動産投資物件を買っていただくにも「ストーリーが大事」だと感じています。
たとえば、物件を上げてきたらすぐに情報を公開しない方がいい場合があります。そこで契約が取れればいいんですが、そうならなかった場合「いいストーリーにならない」んです。
非公開物件情報をいち早くつかむことによって、不動産投資に成功するワタシ
こういうありがちなストーリーを作ることができなくなり、別のストーリー、たとえば
他の投資家が見過ごしていた物件の長所を見つけ、不動産投資に成功するワタシ
他の投資家ができないような物件リニューアルを成し遂げ、不動産投資に成功するワタシ
他の投資家が持っていない交渉力を発揮し値引き交渉を成功し、不動産投資に成功するワタシ
みたいなストーリーが必要になってきてしまいます。
なんか話がずれてしまいましたが、とにかく「不動産投資をしてアーリーリタイア」とか考えている人の中には、「成功するワタシ」を夢見ている人がいます。お金を稼ぐというよりも「成功するワタシ」を実現する方が大事と思っているのでは? とか思わせられるような人も。
「ブログ飯」にもそういう人はいるんじゃないでしょうか。お金が稼げるのかそうではないのかということより、「成功するワタシ」を夢見ることが大事、みたいな人。
漁師
いわゆる「カモにする人」です。
私のような投資不動産屋、それから不動産投資セミナーをやってる人、メルマガや情報商材をやってる人、不動産投資本を書いている人なんかで当てはまる人が多いのでは。
「ブログ飯」界隈だとイケダハヤトさんとかが当てはまるんですかね? あの人は純粋な「カモにする人」って感じではないような気もしますが。
一応フォローしときますけど、不動産投資セミナーとかをやってるから必ず「漁師」ってわけじゃないです。むしろ、後述する「村民」的気質で本当にアドバイスがしたくて、ついでに少しお金になればいいかな、という人も多いと思います。
村民
これは理解してもらえるかどうか難しいかな、とも思うんですが。
「不動産投資コミュニティ」にいることが居心地よくなってしまった人です。
あの、私、ゲームが好きなので、そっち方面の話でたとえをしますね。
ゲームの攻略サイトってあるんですが、あれってそのゲームのプレイヤーがそれぞれ情報を持ち合って作り上げていくものなんですね。そんで、そこに当然コミュニティが成立するんです。
よく考えると、攻略情報の提供なんて自分には特にメリットがないんですけど、そのコミュニティの質がよかったりすると「自分も情報を提供して貢献をしたい」みたいな気持ちになってきたりすることがあります。それどころか、ゲーム攻略情報を提供することがゲームの楽しみの一部に思えてくる、ゲームをするよりも攻略サイトのチャットや掲示板で話をしてることが増えてくる、なんてこともあるんですよ。
当初の目的は「ゲームのクリア」なんですけど、その過程で「コミュニティにいること」の方が楽しくなってくることがあるんです。
「不動産投資コミュニティ」でも、投資家さんのブログを回ったり、投資本を買い集めたり、物件資料を無駄に集めたり、あまり買うつもりもない物件を見学に行ったり、そうやって仕入れた情報をブログ書いたり、そこで生まれたつながりでオフ会に参加したり。
そういうのが楽しくなってくることがあるんです。
いや、あの、不動産投資家ばかりでオフ会やるの楽しいんですよ、マジで。有名投資家とかに会えるとテンション上がったりとかね。
「ブログ飯」界隈にもこういう人はいるんじゃないかと思います。ブログでお金を稼ぐというよりも、そこで生まれたつながりや場が大切になってる人。
真面目な話、イケダハヤトさんとこの書生さんたち、お金を稼ぐ、という観点からはあまりいいポジションにはいないと思うのですが、「村民」的にはすげえ楽しいポジションなんじゃないかと思うんですよね。言ってみれば、好きなゲームのβテスターを無償でやってるような感覚。本人たちも気づいてないかもしれないですが、彼らは「ブログで飯を食っていくためにはお金なんていらない」と思ってるんじゃないかな、と思います。
注意したい点
最後になりますが、以上の3タイプを踏まえまして注意したい点を挙げたいと思います。
- 「漁師」を攻撃するつもりで「夢見る人」や「村民」を攻撃しないようにしたい。
- 「村民」相手に、「夢見る人」だと思って話を始めると、かみ合わないことが多い。彼らは「稼げない」なんて指摘は内心分かっているのだから。
- 「不動産投資コミュニティ」にしろ「ブログ飯」にしろ、その界隈への批判に「漁師」はあまり反論しない。なぜなら1文にもならないから。逆に、熱心に反論してくるのは「村民」。なぜなら自分の大切にしている場を壊されるから。
まあ、本当に稼いでる人ってのは、黙ってるもんじゃないですか?